山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

標準的なものから外れたものが欲しくなるとものすごく面倒くさくなる

新築マンションのチラシがよくポストに入っている。全体的に高級感があって、プレステージとか堂々竣工みたいな文字と、ビカーって光っている建物の画像が印刷されている。ヘー高級そうだなーって思い、今のガス台を使い続けながら掃除しやすいキッチンにできるのかなと調べてみると、普通はできないらしい。もちろんやろうと思えばなんでもできるんだけど、なんか大変そうだった。

こういうのはよくある話で、標準的なものから外れたものを手に入れようとすると、ものすごく面倒くさいことが多い。コミュニケーションや面倒くささが楽しいって思える人にとっては良い娯楽だけど、私はそういうのがおっくうなので、ほとんどの場合は一般的にはこういうものが好まれておりますのでといった商品を購入することになる。

もちろん面倒くさい思いをしてもいいから欲しいものが欲しいといった時もたまにはあって、私の場合は買い物用の自転車が好きなので買い物用自転車だけは自分で組んだ。

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かなり面倒くさかったんだけど、これも満足できているのかっていうと、微妙なところがあってけっこう妥協している。

たとえばバッグをくっつけたりするキャリアを取りつけるためのフレームのダボ穴(ネジ穴みたいなやつ)が、良い感じについている気に入るようなフレームは存在しないので、そこそこのところで我慢している。クロモリフレームなので溶接してくっつければいいのかもしれないけど、そういう加工をしてくれる店に持ってくのが面倒くさい。今調べてみると、溶接機がわりに安かった。

これで溶接してもいいのかもしれないが、ノウハウためるのは大変そうではある。

不満点はこれだけではなくて変速の問題がある。基本的には変速した瞬間にギアが変る状態なんだけど80回に1回くらいハイギアの変速がモタつく時がある。これだと買い物に支障が出て大変なことになるのでなんとかしたい。本当のところは80回に1回くらいハイギアの変速がモタついても買い物に支障は出なくてハラが立つだけなんだけど、これを解消するためには、上のグレードの部品で揃えるみたいな感じになるんだと思う。

ここまでは別にやろうと思えばやれる範囲内だけど、タイヤサイズが451の規格だと良いタイヤが少ない。

満足するためにはタイヤを生産するしかないが、私の貯金では実現不可能である。しかしこれくらいだったら、資産家の人なら遊びでできちゃうと思う。タイヤを生産でくるくらい生活に余裕があるならば、フレームも注文して理想のものにしておきたい。

ハードウェアの問題が解決したとして、私は自転車のベルをつけるのも鳴らすのも鳴らされるのも大嫌いだという問題がある。だから全ての自転車からベルを外したいわけだけど、これは法律を変える必要がある。かなり難易度は高いがイーロン・リーヴ・マスクさんとかが長い時間をかければ実現可能だと思われる。

それに加えて日本だと道路が自転車で走りにくいといった問題があるわけだけど、こちらも自分が走る範囲内の道路を整備するくらいならジェフリー・プレストン・ベゾスさん的な人なら可能であろう。

ここで問題になってくるのが、変速するためにグレードの高い部品に交換し、フレームを理想的にしてしまったことで、盗難のリスクが上っている点である。大量に金ある人なら盗まれても問題ないだろって思うかもしれないが、自転車は各種パーツが快適に動作するように調整するところに魅力がある。部品のスペアは用意しておくとして、盗まれるたびに一から自転車を組み上げて快適に動作するように調整するのはかなりダルい。自分が手を入れた自転車が盗まれると気分も下りそうだし、盗難されない環境を作るしかない。そのためには治安を良くすると同時に、自転車を盗難する気がなくなるくらいに全体の収入を増やす必要がある。

流石に国の全てをそうするのは無理であるから閉じられたコミュニティーを作るしかないのだろうが、このプロジェクトは快適な買い物用の自転車でスーパーを巡るのが目的である。食材の流通などを含めて考えると実現するのはかなり難易度が高い。イーロンさんやベゾスでもちょっと難しいかもしれないというか、こんな馬鹿みたいなことをする人間は、フォーブス世界長者番付・億万長者ランキングに入れないと思う。

だからなんなんだって話になるわけであるが、自転車ですらこんなに面倒くさいんだから、あんまり自分が好きでもないことに対して労力を払うのは無駄だなと考えていて、私はほとんどの事は標準的なもので満足するようにしている。好きなこと、例えば家事なんかでも、家事全般について標準的でないことを始めると、人生の全てをかけても実現するのは無理みたいになってしまう。だから掃除ならば労力を最小限にする、料理なら酒飲みながらダラダラ作ってそこそこ美味いものを作るなどなど、自分が好きなポイントを探し出してそこにだけ注力することにしている。

全てを自分の好きにしたいっていうのも一つの生き方だけど、別に好きでもないからどうでもいいやっていうのもなかなか快適で、私の場合はあんまり好きなことなんてないんだなっていうのが結論である。