選んでみました
岩波文庫解説目録(2020年版)から100冊選んでみた。
あくまで2020年版から選んだものなので、岩波文庫のベストなリストではない。あと上下巻やら全6巻みたいなものもあるので、厳密には100冊ではない。
これがなんのためのリストなのかといえば、私が岩波文庫解説目録(2020年版)を眺めてたら面白くなってしまい、気が向いたので100冊選んだものでしかない。既読(含む、岩波文庫以外で読んだもの)だと思われるものから、読んで良かったような記憶があるものを抽出している。
そんなわけで紹介しているものを全部読んだところで、生き方や人生が変わることはない。ただし自分が好きなジャンルくらいは発見できるかもしれない。それに加えて私が日本の近代以降の文化が好きなので、読むと近代以降の日本の文化を理解しやすくなるといった効果はあると思う。
意識したのはつながりで、ここは他のリストと少しだけ違うかもしれない。知識を一気に取り入れる際に、同じ時代や同じジャンルをまとめて読むっていう技術がある。平安時代と文禄の本を読むのではなく、文禄のものだけ読み続けていると、文体が似ているので自然に読むのが速くなる上に、関連知識も増えていくので理解しやすくなるといった手法である。同じ要素を持つものを読み続けると、エンタメ要素も増える。ヘーゲルの本を読んだ後で、ヘーゲルと喧嘩している人が書いた本の中にその悪口が書かれたりすると、なんだか面白い気分になったりする。
本は単体で存在しているものではなくて、つながりあって文化や時代を形成している。そのつながりを意識すると、わりと得することが多い。
このリストだと本当なら漱石作品では『彼岸過迄』をお勧めしたいところなのだけど、次点の『二百十日・野分』を選んでいる。なぜなら『太陽のない街』や『共産党宣言』と関係があるからだ。それとは別に『二百十日・野分』時代の漱石はバチバチに熱い男で、彼のそういった一面を知るのもなかなか良い。漱石の門下生である芥川はモンティーニュ、ショウペンハウアーから影響を受けている。トルストイの作品は今の人にとっては別に面白くもないかもしれないけれど、日本の近代文学を理解するためには必須なので、少しくらいは読んでおいたほうがいい。ただトルストイを選んだのならば、これを入れたほうがいいなという作品であっても、面白くないから止めとこうといったケースもあった……というような雰囲気で選んでいる。
その他、これは読んでないと生きるの不安だろといった理由で選んだ本もあるし、逆にこれは有名だし人気あるけど読む意味あんまりないというものを外したり、別に読まなくてもいいけど圧倒的な衝撃を受けたから入れとこうというよう作品もあった。
作った後で並べてみると、ルソーが多過ぎだなとか、もともと私が日本の近代文学が好きで本を読み始め、それを理解するため他のジャンルも読み始めた人なので、日本文学へののつながりがちょっと強いなとか、思うところはあるものの、直感的に選んだものを素朴に出すのも面白いような気がするので、そのまま公開することにした。
ちなみに岩波文庫はカバーの背の色により、大きく五つに分類されている。
青…思想・哲学・宗教・歴史・地理・音楽・美術・教育・自然科学
黄…日本文学(古典)
緑…日本文学(近代・現代)
白…法律・政治・経済・社会
赤…外国文学
これから岩波文庫を読もうという人は、個人的には今の時代なら白色を中心に読むと良いのかなとは思うものの、基本的には各色がバランスよく並ぶように読んでいくと、バランスの良い知識が得られるはずだ。
というわけで以下リスト、分野ごとになぜこういうものを選んだのかを一応解説している。作品に対して個別に解説は書かない。なぜなら岩波文庫解説目録(2020年版)の解説が秀逸だからである。興味のある本があれば、是非とも参照してほしい。というか私のヘッポコリストを眺めるよりも、目録をパラパラ読んだほうがずっと面白いような気もしないでもない。
- 選んでみました
- 日本思想[青]
- 東洋思想[青]
- 仏教[青]
- 歴史・地理[青]
- 音楽・美術[青]
- 哲学・教育・宗教[青]
- 自然科学[青]
- 日本文学(古典)[黄]
- 現代日本文学[緑]
- 法律・政治[白]
- 経済・社会[白]
- 東洋文学[赤]
- 外国文学[赤]
- まとめ
日本思想[青]
風姿花伝の考え方は明治後半あたりから、わりといろんなものに影響を与えている。手仕事の日本や古寺巡礼にも、そういうものを見ることができる。
風姿花伝
- 作者:世阿弥
- 発売日: 1958/10/25
- メディア: 文庫
養生訓・和俗童子訓
- 作者:貝原 益軒
- 発売日: 1961/01/05
- メディア: 文庫
古寺巡礼
- 作者:和辻 哲郎
- 発売日: 1979/03/16
- メディア: 文庫
手仕事の日本
- 作者:柳 宗悦
- 発売日: 1985/05/16
- メディア: 文庫
東洋思想[青]
論語はわりと普通の人にも影響を与えていて、小説なんかにもよく出てくる。古典としても、読んでおいて損はないかなといったところである。老子は単純に好き、韓非子は格好良かったような記憶がある。
論語
老子
韓非子
- 作者:韓 非
- 発売日: 1994/04/18
- メディア: 文庫
仏教[青]
仏教っぽいやつで面白かったような記憶があるものを入れた。これを書いてて思い出したのだが私は『往生要集』と『発心集』を混同していたようで、『発心集』は面白いけど『往生要集』は面白くないかもしれないし、『無門関』もなにかと間違えている気がする。どっちにしろ、仏教っぽい考え方も日本の文化を理解するためには必須だと思う。
往生要集
- 作者:源信
- 発売日: 2003/05/16
- メディア: 文庫
無門関
歴史・地理[青]
ガリア戦記は単純に面白い。古代への情熱は勉強する気になると思われる。
ガリア戦記
- 作者:カエサル
- 発売日: 1941/02/05
- メディア: 文庫
古代への情熱
- 作者:ハインリヒ シュリーマン
- 発売日: 1976/02/16
- メディア: 文庫
音楽・美術[青]
普通の人に綺麗なものを観せてビビらせ、神を信じさせちゃうといった行動について知ることができる。キリスト教のこともちょっと分かる。日本だと一つの寺を巡ると自動的に全部の神に祈れるとか、富士山のミニチュア作って富士に行ったことになるというふうに、娯楽と政治と宗教がつながってるんだけど、そういうことも西洋の文化を知っておくと比較できて楽しい。
ヨーロッパのキリスト教美術
ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで (上) (岩波文庫)
- 作者:エミール・マール
- 発売日: 1995/11/16
- メディア: 文庫
哲学・教育・宗教[青]
あくまで素人が遊びで読む程度の話になっちゃうけど、哲学はプラトンやらソクラテスから入って、しばらく自分で色々考える練習をしてから、時代をすすめていくとスムーズに事が運ぶと思う。創世記を入れておいたのは、キリスト教が色々な文化にメチャ影響を与えているのと、なんとなくこれが一番読みやすいかな程度の気持で選んでいる。聖書っぽいものならば、別に他のものでもいい。ルソーが多過ぎるのはルソー自体が良いのと、私が中江兆民が好きだからで、なんで中江兆民の著書をリストに入れてないのかっていうと、今さらあれを読む意味はあんまりないかなと思うからである。
ソクラテスの弁明・クリトン
- 作者:プラトン
- メディア: 文庫
テアイテトス
- 作者:プラトン
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: 文庫
パイドロス
- 作者:プラトン
- 発売日: 1967/01/16
- メディア: 文庫
自省録
- 作者:マルクスアウレーリウス
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
人生の短さについて
- 作者:セネカ
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: 文庫
方法序説
- 作者:デカルト
- 発売日: 1997/07/16
- メディア: 文庫
パンセ
エチカ
- 作者:スピノザ
- 発売日: 1951/09/05
- メディア: 文庫
エミール
- 作者:ルソー
- 発売日: 1962/05/16
- メディア: 文庫
人間不平等起原論
- 作者:J.J. ルソー
- 発売日: 1972/01/01
- メディア: 文庫
ルソー社会契約論
- 作者:J.J. ルソー
- 発売日: 1954/12/25
- メディア: 文庫
純粋理性批判
- 作者:カント
- 発売日: 1961/08/25
- メディア: 文庫
永遠平和のために
- 作者:カント
- 発売日: 1985/01/16
- メディア: 文庫
学者の使命・学者の本質
- 作者:フィヒテ
- 発売日: 1942/08/20
- メディア: 文庫
読書について
- 作者:ショウペンハウエル
- メディア: 文庫
死に至る病
- 作者:キェルケゴール
- 発売日: 1957/01/01
- メディア: 文庫
眠られぬ夜のために
- 作者:ヒルティ
- 発売日: 1973/05/16
- メディア: 文庫
この人を見よ
- 作者:ニーチェ
- 発売日: 1969/04/16
- メディア: 文庫
笑い
- 作者:アンリ ベルクソン
- 発売日: 1976/11/16
- メディア: 文庫
創世記
自然科学[青]
現代でも楽しく読めて、科学的な考え方みたいなものも分かるような作品である。別になんでもいいんだけど、自然科学の古典は、何冊か読んでおいたほうが良い。植物に全く興味ないのに読んでみた『植物の育成』や、岩波文庫ではなく新書の『生命の起源と生化学』の内容は覚えていないんだけど、その時のスゲーっていう気持は覚えていて、そういう気持のために読書をするのも良いものだと思う。
ロウソクの科学
- 作者:ファラデー
- 発売日: 2010/09/17
- メディア: 文庫
ファーブル昆虫記
- 作者:J.H. ファーブル
- 発売日: 1993/06/16
- メディア: 文庫
日本文学(古典)[黄]
枕草子と雨月物語は好きだから選んだ。旅行は日本の文化にかなり影響を与えているので、近代以降の旅行とは質が異なるものの、おくのほそ道は押えておきたい。旅行者としてはもっとすごい奴はいるんだけど、芭蕉のバランスは実に良い。醒睡笑は色々なものの元ネタ。
枕草子
- 作者:清少納言
- 発売日: 1962/10/16
- メディア: 文庫
おくのほそ道
- 作者:松尾 芭蕉
- 発売日: 1979/01/16
- メディア: 文庫
雨月物語
- 作者:上田 秋成
- 発売日: 2018/02/17
- メディア: 文庫
醒睡笑
- 作者:安楽庵 策伝
- 発売日: 1986/07/16
- メディア: 文庫
現代日本文学[緑]
口語体は色々な人が寄ってたかって作り上げたものだけど、円朝と二葉亭作品で荒々しい日本の口語体に一端に触れておくのも面白いはずだ。その他の作品も全部良い。実は基本的に小説なんて読んでも役にはたたないし、あんまり教養にもならない。けれども、こういった作品群を読んでいるとこれまで紹介したキリスト教や仏教と哲学、これから紹介する政治や社会、海外文学が日本の文学に大いに影響を与えているということが分かる。そういったつながりを知るためのアイテムとして使うのも良いんじゃないかと思う。野上弥生子は文体が好き、山之口貘詩集はビックリできるので入れている。銀の匙じゃなくて鳥の物語なのは単純な好みだ。
塩原多助一代記
- 作者:三遊亭 円朝
- 発売日: 1957/06/25
- メディア: 文庫
浮雲
渋江抽斎
- 作者:森 鴎外
- 発売日: 1999/05/17
- メディア: 文庫
二百十日・野分
- 作者:夏目 漱石
- 発売日: 2016/11/17
- メディア: 文庫
五重塔
- 作者:幸田 露伴
- 発売日: 1994/12/16
- メディア: 文庫
仰臥漫録
- 作者:正岡 子規
- 発売日: 1983/11/16
- メディア: 文庫
にごりえ・たけくらべ
- 作者:樋口一葉
- 発売日: 1999/05/17
- メディア: 文庫
野上弥生子随筆集
- 作者:野上 弥生子
- 発売日: 1995/06/16
- メディア: 文庫
鳥の物語
- 作者:中 勘助
- 発売日: 1983/01/17
- メディア: 文庫
侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な
- 作者:芥川 竜之介
- 発売日: 2003/02/14
- メディア: 文庫
日輪・春は馬車に乗って
- 作者:横光 利一
- 発売日: 1981/08/16
- メディア: 文庫
太陽のない街
- 作者:徳永 直
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 文庫
詩を読む人のために
- 作者:三好 達治
- 発売日: 1991/01/16
- メディア: 文庫
津軽
- 作者:太宰 治
- 発売日: 1988/05/16
- メディア: 文庫
中谷宇吉郎随筆集
- 作者:中谷 宇吉郎
- 発売日: 1988/09/16
- メディア: 文庫
東京日記
- 作者:内田 百けん
- 発売日: 1992/07/16
- メディア: 文庫
わが町・青春の逆説
- 作者:織田 作之助
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: Kindle版
第七官界彷徨・琉璃玉の耳輪
- 作者:尾崎 翠
- 発売日: 2015/01/22
- メディア: Kindle版
山之口貘詩集
法律・政治[白]
こういうのは現在の問題を考えるためにも役立つものその1。人権宣言集は読んでおくと、人と喧嘩しにくくなるかもしれない。
人権宣言集
リヴァイアサン
- 作者:T. ホッブズ
- 発売日: 1992/02/01
- メディア: 文庫
近代国家における自由
- 作者:H.J. ラスキ
- 発売日: 1974/10/16
- メディア: 文庫
経済・社会[白]
こういうのは現在の問題を考えるためにも役立つものその2。空想より科学へは格好良い。ウィリアム・モリスは「手仕事の日本」と多少は関係がある。
道徳感情論
- 作者:アダム スミス
- 発売日: 2003/02/14
- メディア: 文庫
自由論
- 作者:ミル,J.S.
- 発売日: 2020/03/17
- メディア: 文庫
共産党宣言
空想より科学へ
- 作者:フリードリッヒ・エンゲルス
- 発売日: 1966/01/01
- メディア: 文庫
ユートピアだより
- 作者:ウィリアム・モリス
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: 文庫
職業としての学問
- 作者:マックス ウェーバー
- メディア: 文庫
贈与論
- 作者:マルセル・モース
- 発売日: 2014/07/17
- メディア: 文庫
東洋文学[赤]
唐詩選、意味分からなくても読んでると気分良くなってくると思われる。聊斎志異は色々なものの元ネタ、アイヌ神謡集はとにかく綺麗な文章だ。
唐詩選
- 作者:前野 直彬
- 発売日: 2000/10/16
- メディア: 文庫
菜根譚
- 作者:洪自誠
- 発売日: 1975/01/16
- メディア: 文庫
聊斎志異
- 作者:蒲 松齢
- 発売日: 1997/01/16
- メディア: 文庫
アイヌ神謡集
外国文学[赤]
ギリシア・ラテン文学
色々な文化に影響を与えていて、わりと色々なものに出てくるので読んでおくと便利。
イリアス
- 作者:ホメロス
- 発売日: 1992/09/16
- メディア: 文庫
オデュッセイア
- 作者:ホメロス
- 発売日: 1994/09/16
- メディア: 文庫
イギリス文学
イギリス文学は明治から大正の日本の文学によく出てくるし影響も与えている。もちろん単体で読んでも面白い。
から騒ぎ
- 作者:シェイクスピア
- 発売日: 2020/04/17
- メディア: 文庫
ガリヴァー旅行記
- 作者:スウィフト
- 発売日: 1980/10/16
- メディア: 文庫
トリストラム・シャンディ
- 作者:ロレンス・スターン
- 発売日: 1969/08/16
- メディア: 文庫
デイヴィッド・コパフィールド
- 作者:チャールズ ディケンズ
- 発売日: 2002/07/16
- メディア: 文庫
サロメ
- 作者:ワイルド
- 発売日: 2000/05/16
- メディア: 文庫
ヘンリ・ライクロフトの私記
- 作者:ギッシング
- 発売日: 1951/01/01
- メディア: 文庫
月と六ペンス
- 作者:モーム
- 発売日: 2010/07/15
- メディア: 文庫
真夜中の子供たち
- 作者:サルマン・ラシュディ
- 発売日: 2020/05/16
- メディア: 文庫
アメリカ文学
森の生活、ポーは日本の文化にわりと影響を与えてる。
黒猫・モルグ街の殺人事件
- 作者:ポオ
- 発売日: 1978/12/18
- メディア: 文庫
森の生活
- 作者:H.D. ソロー
- 発売日: 1995/09/18
- メディア: 文庫
アブサロム、アブサロム!
- 作者:フォークナー
- 発売日: 2011/10/15
- メディア: ペーパーバック
ドイツ文学
単純に好きなの選んでる。
ヴィルヘルム・マイスターの修業時代
- 作者:J.W. ゲーテ
- 発売日: 2000/01/14
- メディア: 文庫
影をなくした男
- 作者:シャミッソー
- 発売日: 1985/03/18
- メディア: 文庫
みずうみ
- 作者:シュトルム
- 発売日: 1979/11/16
- メディア: 文庫
トニオ・クレエゲル
- 作者:トオマス・マン
- 発売日: 2003/09/18
- メディア: 文庫
フランス文学
本当にルソー多く選んでしまったな。まあいいや。他のは名前は知ってるけど読んだことない人が多いんじゃないかなといった雰囲気の作品を選んだ。子供向けに翻訳されたダイジェスト版なら読んだことあるけれどって人も、大人向けのものを読むと面白さに驚いてしまうと思うわれる。どれも押し並べて良い。
エセー
- 作者:モンテーニュ
- メディア: 文庫
孤独な散歩者の夢想
- 作者:ルソー
- 発売日: 1960/02/05
- メディア: 文庫
レ・ミゼラブル
- 作者:ヴィクトル ユーゴー
- 発売日: 1987/04/16
- メディア: 文庫
モンテ・クリスト伯
- 作者:アレクサンドル デュマ
- 発売日: 1956/02/05
- メディア: 文庫
にんじん
- 作者:ルナアル
- 発売日: 1976/01/01
- メディア: 文庫
シラノ・ド・ベルジュラック
- 作者:エドモン・ロスタン
- 発売日: 1951/07/05
- メディア: 文庫
ロシア文学
ロシア文学も日本に結構影響を与えてる。全部から影響を受けてるだろってなるわけだけど、明治から大正、昭和初期っていうのはそういう時代だったわけです。
外套・鼻
- 作者:ゴーゴリ
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 文庫
人はなんで生きるか
- 作者:トルストイ
- 発売日: 1965/07/16
- メディア: 文庫
かもめ
- 作者:チェーホフ
- 発売日: 2010/01/16
- メディア: 文庫
どん底
- 作者:ゴーリキイ
- 発売日: 1961/01/01
- メディア: 文庫
南北ヨーロッパ文学その他
ドン・キホーテは子供向けではなく、ちゃんとしたの読むと、おーってなる。中世騎士物語は翻訳が野上弥生子で文章が良い。あとドン・キホーテと関係ないわけでもない。ちょっと違うけど。ちなみに騎士道のパロディーがドン・キホーテが書かれたのは1605年、日本で武士道を意識的にパロディーにした作品が登場するのが明治35年あたり、実に300年くらいの違いがあるけど、そんなもんなのかなといった感じ。
ドン・キホーテ
- 作者:セルバンテス
- 発売日: 2001/01/16
- メディア: 文庫
- 作者:セルバンテス
- 発売日: 2001/02/16
- メディア: 文庫
中世騎士物語
- 作者:ブルフィンチ
- メディア: 文庫
まとめ
こういった本は読んだ翌日からビジネスパーソンとして成長できるとか、TOEIC の点数が2倍になるといったものではない。というか別に役には立たない。
ただこうやって並べてみると、改めて自分がものを考える時に古典で得た知識を組み合わせたりしているのだなと思った。思考のための部品とでも考えればいいのだろうか? それじゃ役に立ってんじゃないかって話になるかもしれないが、別に組み合わせて考えたところで得はしない。自分が満足できるだけで、読んでおいて良かったのかなといった程度のものでしかない。
だから古典を読むぞという情熱に満ち溢れた人ならともかく、普通に興味あるかなくらいの人ならば、気が向いた時にチビチビ読むような感じで十分だと思う。もっというと普通に読書している人は、古典を無理して読まなくてもいいと思っている。なぜなら現在まさに書かれている書籍も、古典のずっと先にあるもので、両者はつながっているからである。むしろ最低限の冊数で済ませたい読書しない人こそ、失敗のない古典を読んだほうがいいような気もしているけど、これも好みの問題だな。好きなものを、好きに読むのが一番だと思う。
今回は遊びでこういうリストを作ってみんだけど、わりと楽しいものだなっていう感じだった。こういうの作りたがる人が多い理由が分かった。あと適当に選んだものを眺めながら解説をつけていくと、これを外してあれを入れたら良かったなというようなものがわりとあった。なぜそういった部分をなおさないのかといえば、面倒くさいからである。あと知識が薄いところはどうしてもいい加減な選択になってしまうし、日本の近代文学との兼ね合いでリットンの小説を入れたいけど、目録にない上にあれ単体で読むのも……みたいな苦悩があってごまかしている部分もある。多分なんだけど他の100冊リストなんかも、面倒クセーという理由で適当にしている部分が多少はあることだろう。だから私のリストに限らず、必読リスト的なものは疑いつつ参考にするくらいで丁度良いと思う。