山下泰平の趣味の方法

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東京大学百年史が面白かった

東京大学百年史が公開されている。

www.u-tokyo.ac.jp

一巻あたり千ページくらいで十巻あり情報量が多い。古書で購入すると結構な値段がするので、無料で読めるのはお得だと思う。

東京大学百年史 〜 の在庫検索結果 / 日本の古本屋

私は東京大学百年史に全く興味がないので、流石に全部は読んでいなくて「通史一」を流し読みし「部局史四」を見ただけである。なんで興味がないのに読んだのかというと、二点知りたいことがあったからだ。

ひとつは、『 明治30-40年あたりに高等小学校にも通えないような田舎の貧乏な子供が「金なくても帝大に入れて卒業したら官員になれるらしいぞ」などといったみたいなあやふやな情報を根拠に暴れるみたいな状況があったのだが「金なくても帝大に入れて卒業したら官員になれるらしいぞ」などといった情報の元になった状況』で、こちらは「通史一」にそれらしきものがいくつかあった。

もうひとつは、『明治10年あたりに入学した帝大生に一種の天才がいたものの、在学中には毎日片っ端から新聞を読みまくりその内容を色々な人にベラベラしゃべって過して卒業したが、特になにも学ばずよく分からない人間になった奴の情報』で、こちらは名前はあったものの普通の学生として扱われており、当たり前だが個人のイレギュラーな行動は正しい歴史では扱われないのだなといった感想だった。

人によるとは思うけど「通史一」は学校を作るぞッ!! といった情熱とともに、雑な奴やどさくさ紛れでなんとか金もらいてぇみたいな奴とかが出てきて面白かった。日本の近代には、この選択肢をミスってたらヤバかっただろというような状況がいくつもあるんだけど、学校や教育に関してはミスってるけど個人の超人的な努力や強引さでなんとかしたといった印象が強くて、帝大にもそういったところがなくもないのは笑えて良かった。