私は基本的に emacs でものを書くのだけど、共同作業をする際には相手が使ってるツールに(なるべく)合わせるようにしている。manued.el 使ってくれとか頼んだりしない。
そんなわけで Google Doc や Microsoft Word を使わなくてはならない時がある。前回は Google Doc を採用したんだけど、今回は別の方法でやってみたかったんで Microsoft Word を使うことにした。こちらも地獄みたいな雰囲気だったんだけど、たいだいつきあい方がわかってきた。やり方を忘れて検索して情報を探すのが面倒くさいので、ここにまとめておくことにした。
Pandoc で Docx 形式のファイルを作る
濁点問題
macOS で書いているとたまに結合文字列が使われたりする。Windows で見ると濁点の文字と点が分割されるっていう感じなんだけど、これの対策としてテキストファイルを変換しておく。
nkf --ic=utf8-mac --oc=utf-8 --overwrite *.txt
参考情報
http://emasaka.blog65.fc2.com/blog-entry-1407.html
markdown から docx へ変換
pandoc sample.md -t docx -o sample.docx
docx から markdown へ変換
残念ながら Microsoft Word は文書を書いたり編集するように作られていない。修正箇所が多い場合は docx から markdown へ変換し emacs で作業する。
pandoc sample.docx -t markdown-raw_html-native_divs-native_spans -o sample.md
参考情報
http://qiita.com/kinagaki/items/460577f46529484d720e
コメントは消えるので注意が必要。
落とし所はどのあたりなのか
前回は Google Doc で頑張ったんだけど、使いやすさがなくて嫌になってしまい、今回は Microsoft Word を買って使ってみた。しばらくはキーバインドを emacs 風にしようと頑張ったりしたけど、その時間で料理したほうが良いという結論であった。
肉じゃがはおかずにするばあいは味を濃くし、肉じゃがを単体で食べたい際には薄味にしてジャガイモと野菜を楽しむというように味を使い分けているわけだが、私は共同作業を次のように進めている。
- markdown 形式で文章を書く
- Docx に変換
- 編集してもらいコメントなどをもらう
- Microsoft Word でコメントなどを参考に原稿に反映
- 3-4 を何度か繰り返す
何度か作業するうちに、文字入力が200文字以上必要になったり、文章を移動させる場所が5箇所以上ある場合は Docx を素直に markdown 形式に変換して emacs で作業すべきだということが分かった。
これは文章を書くということに限った話でもないんだけど、自分がなにをしているかに着目し、それ以外のことをなるべくしなくていい状況を作ると仕事の出力が良くなる。文章を書くという行為に、文字を修飾したり、写真を貼り付けたり、文献をまとめたりする行為が加わると質が下る。しなくてはならない行為ではあるから、なるべく文章を書くという行為に類似したものにするみたいなことをするのが良いと思う。
Microsoft Word は文書を書いたり編集するためのツールではないけど、人が修正した場所を確認し、書いてもらったコメントを読むためのツールとしてはそれなりに優れていてる。だからそういう用途では Microsoft Word を使うという感じが落とし所なのかなといったところです。