山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

戦前の日本語新聞を読んで遊ぶ

戦前の新聞を読もうと思った

今年は自分が調べているジャンルをいろいろとまとめることができた。さらなる暇潰しがしたくなったので、戦前の新聞を本格的に読み新しい調べたいジャンルを探すことにした。

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暇潰しのために興味深いジャンルを探し出し、しばらくそれについて調べ続ける。調べる対象が存在している時代が同じであれば、自然に以前調べていたジャンルについての知識も増えていく。これを繰り返していると永遠に暇が潰せるので、みなさんにもお勧めしたいところなんだけど、話を戻すと戦前の新聞をデジタルデータで自由に読みたいわけである。

これまで戦前の新聞を読む際には図書館へ行き、縮刷版、マイクロフィルム、オンラインサービスなどを利用していた。しかし本格的に読むのであれば、自宅で読めなくてはならない。なぜ自宅で読めなくてはならないのかというと、移動するのが面倒くさいからで、面倒くさいことは続かない。そんなわけで戦前の新聞を自宅で読むために調べたところ、いくつかのサイトを発見することができた。そこそこ満足できる雰囲気がでてきたので、情報を共有することにします。

国内

ヨミダスパーソナル

kijikensaku.yomiuri.co.jp

始めに書いておくと戦前の新聞のデジタル化は日本でもわりと進められている。ただし新聞各社が提供している戦前の新聞紙を読めるサービスは、主として公共施設向けのものになっている。朝日新聞は原則提供なし、毎日新聞は個人向けサービスを提供しているものの、少しだけ微妙なところがある。というわけでヨミダスパーソナルを利用している。

デジタル化された新聞には、たいてい検索機能がついている。それについては、すごくよくできている。

有料なので無限に読み続けるというのは難しい。検索した見出しを表示するのに4円、記事紙面の表示が500円、高いっていえば高いけど、必要なものを探すといった用途としては利用はできるっていう感じである。

近代期新聞検索

www.npoabc.jp

近代の新聞をテキスト化しデータベースとしたもの、面白いけど様々な理由から(私の用途だと)実用的ではない。遊ぶのは面白い。

新聞記事文庫

www.lib.kobe-u.ac.jp

「新聞切抜文庫」を元にテキスト化しデータベースとしたもの、面白いけど近代期新聞検索と同じような理由で(私の用途だと)実用的ではない。遊ぶのは面白い。

海外

色々調べたところ、無料で利用できる戦前の新聞データベースは海外のほうが充実していることが分かった。私が日常的に使用しているものは、今のところ2つである。

韓国国立中央図書館

www.nl.go.kr

なぜか日本統治時代の朝鮮に発行されていた邦字新聞がものすごい充実している。朝鮮日報、京城新報、京城日報などが読める。検索の精度は普通である。なお閲覧の際に NLViewer が必要だが macOS では利用できない。モバイル用のサイトなら閲覧可能。文化の違いからなのか UI に慣れないのと、ハングルが読めなさすぎて意味が分からなくて恐怖感があるが、便利すぎるので活用している。

http://m.nl.go.kr

フーヴァー研究所ライブラリー&アーカイブス

hojishinbun.hoover.org

119社の邦字新聞、778832ページがアップロードされている。検索の精度は微妙である。つかいやすい。

自由度の問題

以上、色々と書いてきたが、私が本当に読みたいのは神戸又新日報だ。デジタル化もされているのものの、読むためには神戸の図書館にまで行かなくてはならない。その他、明治30から40年代の地方紙も読みたいが、こちらは消滅しているか、マイクロフィルムで読むか、あっても普通の人には読めないかとかそういう感じで、読むのがかなり面倒くさい。そんなわけで自宅でそれほど興味があるわけでもない邦字の新聞を読んでいる。

こういうのは人によりけりなんだろうけど、私の場合はなにかを調べる場合に自由度を基準にしている。上記のサイトも利用しているのも、いつでもどこでも読めるという自由があるからだ。

普通は自分が必要なデータをゲットして調査するっていう感じなんだろうけど、私はなるべく自由な資料を選ぶ。特に興味もないが読み続ける。自由だから大量に読める。大量に読むうちに、質は低いながらも変なものに出くわすことがある。それを調べて暇を潰す。たまになにかを発表するという感じで、なかなか面白い。こういう人が増えると自分の知らないことが知れて得なので、こういうまとめを作ったわけです。