山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

判断基準に自由度を

なにか選択する時に、自由度という概念を使うと便利だと思う。自由度というのが分かりにくいんだけど、わかりやすく表現すると自由度になる。そんなわけでだいたい自由度については理解できたと思うので、地上を移動する手段で比較してみることにしましょう。

色々と手段はあるけれど、ここでは徒歩、自転車、二輪車、自動車で考えてみる。

両極端な自動車と徒歩を比べることにして、まず歩行はいつでもどこでも止まることができる。2メートルくらいなら登れる。小回りも異常に効く。交通弱者だから、なにしても怒られない。水の中にも入れるし階段も上がれる。ただし移動する速度が遅い。時間がかかるし疲れる。

車だとどうかというと、まず快適さがある。雨が降ってても濡れない。移動する速度も速い。ガソリンあれば走れる。しかしながら車で走行している時に、道路のド真ん中でいきなり止まったりは出来ない。高速道路の逆走もダメ、あとデカい。置く場所が限られる。

これを表にしてみると次みたいな感じになる。

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かなり適当に作ったので微妙なグラフになったけど、雰囲気的には伝わると思う。ここに盗難とか事故時の被害、あと持ち歩ける荷物の量などを入れると、概ね自由の場所は違うけど自由度は同じくらいの量になってくる。なんで同じくらいなるかというと、人類っていうのは物理の世界に生きているからです。

移動に限らずどんな製品でも、自由度で他の選択肢の全てを上まわる存在というのはほぼない。大抵のことは金で解決できちゃったりするけど、自由度に関してはそうはいかないのが面白い点で、自分が望む自由度を得るためには考えなくてはならない。

この判断基準は、趣味を選ぶ際にもわりと便利に使える。趣味には、趣味が出来る場所だとか、予算だとか、人とコミュニケーションが必要だとか、色々と自由度が減少する要素がある。なるべく自分が好む自由度が減らないようなものを選ぶと趣味が長続きする。

ただし自由度が良いというのは個人の好みの部分もあって、自由度が減少したほうが心地好い人もいると思う。その辺りは人それぞれですね。

自由論 (岩波文庫)

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