山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

はじめに

一般的に趣味というのは、釣りや将棋あるいはスキーなどジャンルに別けて認識されていて、囲碁が趣味の人のホームページなら囲碁のことばかりが書いてある。だけどここで扱うのはそういう個別の趣味ではなくて、趣味を収納する箱のようなものについてす。このホームページでは仮にそれを『趣味の方法』と名付けている。だから名前は『趣味の方法』です。

具体的に『趣味の方法』というのがなにかというと、

  1. 趣味を開始し
  2. 趣味を続け
  3. 趣味を発展させる

ためのものです。

日本では各ジャンル共に、そこそこのレベルで趣味が運用されている。ところが『趣味の方法』の部分はわりと貧弱で、趣味を始めるのがちょっとダルい感じになってしまう。競争や実益を強要させられたり、無意味に高いレベルを求められたり、道具に関しても一定の水準を求められたり、ルールを強要されたりします。こういった傾向は平均値を上げるといった良い面も持っているけど、趣味疲れの原因にもなる。

制度面でもあんまり恵まれているようには思えなくて、例えばスポーツでも金メダルは取れたりするけど、競技者の負担が異常に大きかったりする。スポーツについては社会の構造的な問題もあったりするんだけど、とにかく私が属している日本という場所は、経済大国のわりにはあまり趣味がやりやすい環境だとは思えない。海外の事情について知らないですけど、とにかくあまり良いとは言えない環境で趣味を上手にやる方法を考えていく。

どの程度まで『趣味の方法』について掘り下げていくのかというと、『金も地位もない人間が趣味を始めて、趣味を発展させてたまにお金がもらえる』くらいのところまでです。

私の状況はどうかというと、成年してから常に年収が同年代の平均より低い。それで生活はそこそこ破綻しているし、来月を無事に終えることができないから、誰か助けて欲しいんだけど、趣味のひとつに面白い日本語を探すというのがある。これは十年以上続いている。まともにするとお金のかかる趣味なんだけど、なんだかんだで工夫すると強引に続けることができる。この工夫の部分が『趣味の方法』です。

当り前だけど、面白い日本語を探すという商売はない。だからこんなもんが金になるはずがないんだけど、かって雑誌で一年半くらい連載をして得したことがあります。日本の娯楽小説の中でも特に人気のない『講談速記本』という分野を扱っていたので、あんまり人気なかったと思うし、雑誌の人には損したと思う。連載するまではここまで『講談速記本』が人気ないと思っていなかったので悪気はなかったんだけど、今年はさらに人気のない『事実譚』とその作者を対象にした本を出す予定でしたが、いろいろあって駄目になりました。だけど趣味だから、まだまだ調べ続けている感じです。

『事実譚』というのは『講談速記本』よりも人気のないジャンルです。本とか出したら9割の確率で損すると思うけど、そういう話が来たり来なかったりする。どんなにマイナーでゴミみたいな趣味であったとしても、やり方によっては人から一定の評価はもらえて、運が良いとたまにお金になったりならなかったりする。

『趣味の方法』について考えること自体も私の趣味のひとつで、わりと洗練されてきましたから、そろそろまとめて公開してみようかなと思い、このブログを始めたというわけなのです。