山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

デジタルライブラリーと無料のパソコン

これはデジタルアーカイブを使って知的な活動をし始めた若い人向けに書いている。

「国立国会図書館デジタルコレクション」で「個人向けデジタル化資料送信サービス」が提供され話題になっている。興味のない人は意味が分からないと思うので超簡単に説明すると「国立国会図書館デジタルコレクション」では著作権の処理が終了したものが閲覧できたんだけど、「個人向けデジタル化資料送信サービス」によってかなり新しい時代に出版された書籍が読めるようになった。実に素晴しくて良い。

ただしちょっと状況が、Linux が流行し始めた時に似てるなと感じている。

Linux とは Windows とか macOS みたいなもので OS と呼ばれるものである。これが2002年あたりだったかな、無料で使える OS といった形でブームになったことがあった(ニュースかなんかでテレビに出たんだと思う)。

実は無料っていうのは微妙に間違っていて、オープンソースでフリーなソフトウェアなんだけど、当時の興味のない人にとってはなにがオープンだ、意味が分かんねぇよって感じだったと思う。だからただのパソコンがあるッ!!! みたいな感じでニュースになり、それを見たオッさんたちが「無料のパソコンがあるらしいぞッ!!」みたいに勘違いするといった自体が発生した。当時の私はそういうオッさんがいるという噂を聞いて、いくらなんでもそんなバカがいるはずないだろ……と思ってたら、バイト先のオッさんが「無料のパソコンがあるのかッ!!」みたいに騒いでたので、マジでいるのか……ってなったんだけどこれはどうでもよくて、とにかく無料のパソコンがあるという感じでブームになったのであった。

「無料のパソコンがあるらしいぞッ!!」と騒いでたオッさんたちが、リアルタイムで Linux に触ることはなかったけど、今ではテレビやカーナビ、Android のスマホなんかで Linux が動いていてみんなが普通に使っている。別に俺は今 Linux を使っているッ!!!とか認識しているわけではない。なぜなら Linux 大好き人間みたいな人たちが、Linux が適切な場所で適切に動くよう製品を作ってくれているからで、それは見えていないけど使っているという最高の状態である。

デジタルライブラリーはといえば、今のところは昔の Linux とよく似た状況で、無料で読める!!! みたいになってるけど、別に無理してデジタルライブラリーで読む必要はない。私はすでに紙の本よりもデジタルライブラリーで読んだ量のほうが多いかもなくらいになってるけど、「個人向けデジタル化資料送信サービス」で大量に読むのは難しいと思う。なぜならストリーミング方式で提供されているため、ダウンロードができず、ページをめくるのに時間がかかって疲れるからだ。熟読が必要な資料が安価に入手できるのであれば、買ってしまったほうが効率が良いと思う。

ダウンロード可能な資料の場合だと、流し読みするのであれば紙より読むのが疲れない。データを適切に扱えば、ページをめくるのに時間がかからないからだ。重くて分厚い紙の本を3000ページくらいめくり続けると疲れるけど、デジタルデータなら10000000ページめくり続けても疲れない。目やら脳は疲れるので10000000ページ連続で読むのは難しいけど、とりあえず流し読みするなら紙の本より楽である。

とにかくデジタルライブラリーの最大のメリットは疲れないという点にあるので、なにが疲れないのかを意識しておくと効率良く使えるようになる。

  • 移動が必要ないから疲れない
  • 手続が必要ないから疲れない
  • 検索できるから疲れない
  • ページめくらなくていいから疲れない
  • 読み飛すのがすごい楽で疲れない

その他にも色々あると思うので、なるべく意識して見付けるように心掛け、疲れない部分を活用しまくると、より効率的に読めるようになる。

その一方で、デジタルデータだからこそ疲れる部分もある。

  • 分厚さや置いた場所なんかで記憶できないので疲れる
  • 画像の品質が悪い場合は熟読すると疲れる
  • ページめくりが遅い状況だと疲れる

こういう部分は避けるようにする。

以上、当たり前のことしか書いてないんだけど、今のところ人類はデジタルデータに慣れていないので、こういうことを意識しないといけない。

あと5年か10年か20年くらいしたら(人類が馬鹿丸出しのことをして文化が大幅に後退しないという条件付きだけど) Linux みたく無意識のうちにみんながデジタルライブラリーを使うようになると思う。しかし今のところは過渡期なので、あまりデジタル資料を使ってない人の珍妙な意見が良いとされることがあったりする。5年か10年か20年くらいっていうのは、巨大な目で見ると短い時間ではあるけれど、若い人にとっての5年は長い。なので微妙なデジタルライブラリーの使い方を鵜呑みにせずに、最高の使い方を見付けられたらいいねとか思う。

デジタルデータの閲覧に慣れすぎているため、他人がなにが分からないんだかもう分からなくなっているとか、変な意見がどのレイヤーで話しているのか分からないみたいなど色々あるので、私の書くことはあんまり参考にならないかもしれない。あとこんなことを書きながらも、もっと素晴しく効率が良く格好の良い利用法がある気はしていて、いろいろとやってはいるけど、結局のところそういうのを考え出すのは新しい人らなので、なにか思い付いたら教えてくれ頼む!!! って感じなんだけど、一応は過去に書いたデジタルライブラリーとの付き合い方みたいな記事をやら考え方のヒントになったものを張り付けておく。

書いたの

cocolog-nifty.hatenablog.com

cocolog-nifty.hatenablog.com

cocolog-nifty.hatenablog.com

なんかもっとあったけどブロマガが消えたのでなくなった。

デジタルデータをどう扱うのか考えるのに役立った気がする本

違う本かもしれないけど多分これだと思い込んでいるのだが、勘違いかもしれない。色々な人にお勧めしたことがあるんだけど、良い本であることは事実なので、まあいいかとか思っている。

役立った文書

practical-scheme.net

cruel.org

scrapbox.io

こっちも考え方とかで参考にした。ついでに読んどくと良いかもくらい。

デジタルライブラリーを利用しまくって書いた本