山下泰平の趣味の方法

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なぜか合わないレジの人の謎

私はレジで会計をするのが好きで、事前に支払う金額と財布の中にいくらあるかをだいたい把握しておいて、財布の中の小銭の数が最小になるような構成で高速に支払うといった遊びをしている。最近は電子マネーでの支払いもするようになり、よりゲーム性が高まってきた。

こういう人間なので基本的にはレジでもたつくことはないんだけど、一人だけ相性の悪いレジの人がいて、その人に会計をしてもらうと動きが鈍くなり誤った判断を下すことがものすごく多なる。

レジの人は一般的なレジの人よりも動きが素早く、仕事ができそうな雰囲気である。なのでものすごく会計に時間がかかってしまう原因は、私にあるということになるわけだが、なにが問題なのか見当もつかず実に深い謎であった。こういう時にはこれまでは相性が悪いんだろうなで済ませていたのだが、最近は謎が嫌になってきている。それを解消するため自分を観察しながら何度か会計をするうちに、次のようなことが分かってきた。

コンビニなのでレジで会計する際には、次のような処理が発生する。

  1. ポイントがどうのこうの聞かれる
  2. バーコード読み取り
  3. 袋いるかどうか聞かれる
  4. 商品をバッグに入れる
  5. 会計方法を選ぶ
  6. 金を払う

上記の流れの中で私は無意識のうちにレジの作業にかかる時間を設定していて、その時間に合せて支払いの組み立てをしていたようだ。予想していたよりも処理が速い場合には、こちらの処理の速度も上げることになる。

このレジの人も処理はかなり速いが、私が知る範囲内だと最速ではない。超高速の人にも対応はできているので、速度による問題は発生しないはずだ。だったらなにが問題なのかと考えてみると、こちらの処理中に選択肢を与えてくるということが分かった。

まずポイントがどうのこうの聞かれ、いりませんと応える。次にバーコード読み取りが思ったより速いため、財布は出しているが電子決済で対応するかな……財布をポケットになどと考えながら、商品をバッグにつめていると『袋はいるかどうか』という質問が発生する。(つめていても問われる)

いりませんと答え、中断している『財布は出しているが電子決済で対応するかな』について考える必要がでてくるが、この頃にはバーコードの読み取りが終っていて、決済方法を選ぶフェーズに入っている。しかし『財布は出しているが電子決済で対応するかな』の処理が終っていないため決済方法を選ぶことができない。

これで処理が止り、手っ取り早く現金で払うことにしてボタンを押して会計するのだが、把握していたはずの財布の中の金の情報がちょっとした混乱で消去されているので、支払いにもたもたするといった感じであった。

ゴチャゴチャ書いたが、ようするに私が処理をしている途中で割込処理が入ることで、パフォーマンスが低下し支払いがグズグズになるというのが原因であった。この他にも、袋は必要ないと伝えているものの商品がバッグに入れにくい場所に置かれていくなどの問題もあったが、こちらは別のレジの人でも発生することがあるので、あまり影響はないのかなと考えている。

以前に宅急便の発送をした際にも同じ人にあたり、なんかものすごい遅くなった上に、あとで異常に不安になってしまった。今から考えると初見の手続でこちらがもたもたしているにもかかわらず、相手の処理の速度は早めの一定かつ質問がいくつか発生し、それに追い付くために不安な要素を確認できなかったことが原因だったんだと思う。

だんだん面白くなってきて様々なレジの人を観察していたんだけど、並外れた速度でレジの処理をする人は、支払う人の動作によってレスポンスを変化させていることが分かってきた。経験則で支払う人の処理が終わらないうちに質問などをすることによって、トータルでみると会計に時間がかかるということ理解しているみたいな感じなんだろうと思う。

それじゃ私が苦手としているレジの人が駄目なのかっていうとそういうわけでもない。会計にかかる時間を減らしたところで、レジの人にはメリットがない。それなら相手がどうあろうと手順を均一化することで労力を減らし、自分の仕事を高速に処理するのは実に合理的だ。個人的にはレジの人の仕事の品質は高すぎるくらいなので、もっと手を抜いてもいいといった社会的な合意があっても良いと思っている。

なんの話をしてるんだかよく分からなくなってしまったが、対人の問題は冷静に分析してみると案外簡単に解決法が発見できたりする。今回のケースだとレジ袋をお願いしますと言うことで、レジの人に袋詰の手順が発生し快適な会計が可能となりめでたしめでたしで、この人とはちょっと合わないという感覚にも理由があるもんだなっていう感想であった。