山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

全自動コーヒーメーカーを買い替えた

コーヒーメーカーがブッ壊れた

以前に紹介したコーヒーメーカー、イーバランスの『EB-RMCM4』がブッ壊れた。

cocolog-nifty.hatenablog.com

購入当初は面倒くさい機械であったが、細かい部分をカスタマイズしたことで、コーヒー豆と水をセットしてマグカップ置いたら自動的にコーヒーが完成する超便利な機械になった。ほぼ毎日使用しており、生活になくてはならない機械である。ブッ壊れたのは非常に辛い。

正確に書くと動くのは動くのだが、スイッチの反応が異常に悪くなり、30秒くらい押し続けたり100回くらい連射するとガーガー動き出すといった機械になってしまった。スイッチを30秒くらい押し続けたり100回くらい連射すると動作する機械は販売されていないので、壊れたといっても過言ではないものの、ミルやお湯を沸かすといった部分は動作しているので納得しにくい状態ではある。

4年4ヶ月前に12000円で購入し、1日に3回飲むこともあるからだいたい2000回くらい使った。コーヒー1杯あたり5円くらいっていう計算になる。私は1回につき2杯分入れるので、量で計算すると1杯あたり2.5円の計算になるわけで、寿命としてもいいのかなといった感じであるが、あまり納得できていない。スイッチだけしか壊れていないからな。

買い換えるのが面倒くさいので、スイッチを修理しようかなとも思ったものの、ネットに同じ形状のスイッチの修理に成功している事例がない。修理に成功する保障はない。完全にぶっ壊し、しばらくコーヒーが飲めなくなるのも嫌すぎるので、諦めて新しいものを買うことにした。それでも壊れているのスイッチだけだしなーといったところで、買い替えの納得感がなく、なかなかテンションが上がらない。一ヶ月程スイッチを30秒くらい押し続けたり100回くらい連射するとガーガー動き出す日々を過していたのだが、そろそろ限界だというわけでようやく買い換えることになった。

全自動コーヒーメーカーを選ぶ

買い換える際には、なにを買うのかといった問題が発生するわけだけど、かって趣味としてコーヒーを入れたり、実用として長く全自動コーヒーメーカーを使っていたこともあって、だいたいここを押えておけばいいっていうのは分かっている。というわけで次のような条件で探すことにした。味に関してムシっているのはあんまり期待していないからで、なるべく安い豆でセブンイレブンのコーヒーに近い味が出ればそれでよろしいと割り切っているからだ。

  • コーヒーの粉が飛び散らない
  • メンテしやすい
  • 構造が単純である
  • ドリッパーとサーバを変更できる
  • デカすぎない
  • 一度に入れられる量は3杯程度で十分
  • 面倒くさくない
  • 操作に自由度がある
  • 良いスイッチを使っている(スイッチが壊れたらゴミ)
  • コーヒーメーカーの時計は安物を使っており時間がズレるのでタイマーはいらない(むしろないほうがいい)

上記の条件で探していくと該当するのは、ツインバードの全自動コーヒーメーカー『CM-D457B』になる。

本当のところを書くと、私はサーバを温める機能は不要だと思っている。なんでかっていうとコーヒーは入れたてを飲むべきだからである。つまり温め機能が付いている製品は、温かけりゃ品質悪くなってもいいといった思想で作られている可能性が高く、私とは相容れない。あとコーヒーサーバがついてる製品もあまり好きではなくて、容器なんてものは自分が使いやすいものを自由に使えるように設計すべきだと私は考えているわけだが、そんなことを考え始めると買える商品なんてなくなってしまうので、とにかくスイッチが壊れなさそうな『CM-D457B』を選んだというわけである。

この機械にも保温機能やコーヒーサーバはついてくるものの、他のものとはかなり違っている。例えばドリッパーに安全弁みたいなものがついていない。安全弁がついていると、サーバーを設置し忘れた時にコーヒーがドバドバこぼれない。しかし洗いにくく、自由度が減るといったデメリットがある。そもそも普通のドリッパーには安全弁なんてついていない。なるべく手動で入れた状態に近付けようとすると、つけないという選択になるはずで、この機械には安全弁がついていない。ちなみに安全性は、後述するドリッパーレバーで確保している。

ドリッパーの穴は大き目のものが二つ、形状は普通のものと違う。リブも高い。恐らく機械の入れ方にベストな形状なのだろう。専門の部品を使っているのは気に入らないが、(工夫をすれば)別のドリッパーも使用が可能となっている点は好感が持てる。その他、メンテナンスモードが充実しているとか、蒸らし時間を調整できるだとか、タイマーがついていないだとか、金属メッシュフィルター使わないだとか、これまでの商品とはかなり性質が違う。他の製品でセールスポイントとなっている点を除き、性能を維持できるような機能が追加されているわけである。これだけで買う意味はあるかなといった感想で、実際に飲んでみたらかなりレベルの高いコーヒーが自動的に完成してちょっとビックリなんだけど、私のように面倒なことなしに普通のコーヒーが飲めればいい人にとっては、少し面倒くさいところがある機械かもしれない。

実はこの製品、改良版も登場している。

www.edion.com

なんで改良されたものを選ばなかったのかというと、回転する部分が増えていて構造が複雑になってそうだからで、複雑なものは壊れやすい。本当にどっちが壊れにくいのかは分解してみたいと分からないわけだが、まあ長く生産されてるこっちでいいかといった感じである。

これまでの製品と比較をしてみる

ここでこれまで使用していた『EB-RMCM4』と新たに購入した『CM-D457B』を比較すると、次のような違いがある。

EB-RMCM4 CM-D457B
コーヒー豆の量 機械が量を判断 ミルに入っているだけひく
お湯の量 タンクに入っているだけ入れる タンクに入っているだけ入れる
入れ方の指定
ドリッパー・サーバの変更 改造するとサーバのみ可
面倒くさいところ 色々

現在販売されているほとんどの全自動コーヒーメーカーは、イーバランスの『EB-RMCM4』と似た感じの作りだと思われる。全体的に雑に使える上に、私がカスタマイズしたこともあって、コーヒー豆をミルにジャンジャン入れておいて、飲みたいだけの水を入れてスイッチ押すとコーヒーができるといった感じであった。ちょっと足らないなと思ったら豆を追加でひいてみたり、水をドボドボとタンクに入れたりもできた。

対するツインバードの『CM-D457B』は必要なだけ豆を入れて、飲みたいだけの水を入れてスイッチを押すとコーヒーが完成する。動作完了後に追加でお湯を足すことはできるが、ちょっと操作が面倒くさい。

ミルの音はツインバードのほうが小さい。しかしあんまり気にしたことないので、わりとどうでもいい。コーヒーが入るまでの時間はだいたい同じ、豆をひく速度はイーバランスのもののほうが早いが、ツインバードのほうがお湯をコーヒー豆にサクっと通すみたいな感じ。

物理的な大きさを比較すると次の通りで、ツインバードのほうがかなり小さい。ここはものすごく良い点であった。

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ツインバードの製品のドリッパーは分離式で、普通に使うとコーヒーカップ+3つの洗い物が発生する。

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カスタマイズしたイーバランスはコーヒーカップ+1つで、比べるとかなり面倒くさい。ここを改善できれば、面倒くささは払拭されそうである。

面倒くささを解消する

面倒くささを解消していく。とはいえ別に苦労もなく、設置する部分の高さを計測(約17cm)し、そこに入るデカいコーヒーカップの上にドリッパーを置いたら完成、これで洗いものが2つになった。

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ドリッパーはハリオのものを選んだ。

なぜハリオなのか、ツインバードのコーヒーメーカーの入れ方だと、メリタ式のドリッパーでは美味くいかないと推測されるし、カリタ式だとちょっと雑味が出そうな雰囲気がある。純正の穴の形状を見るに、お湯をためないといった思想で作られているっぽい。

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そんなわけでハリオのドリッパーを選んだ。ほとんど問題はなかったのものの、ツインバードのコーヒーメーカーには安全装置としてドリッパーレバーがついている。ドリッパーでこのレバーを押し続ける必要があるのだが、このバネがけっこう強力である。ドリッパーをコーヒーカップに乗せた状態だとドリッパーレバーが押されず、ミルが動作してくれない。だから少しだけ工夫が必要で、コーヒーカップからドリッパーがズレないようにストッパーを付けた。

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同じことしたい人は3Mの性能の良いやつを買ったほうがいいと思われる。

ミルに大量のコーヒー豆を入れておいて、スイッチ入れるだけで動作というのは物理的に不可能だった。ただしイーバランスの製品には、コーヒー豆の油が多いと下に落ちないといった問題があり、こうなるとコーヒー豆を箸かなんかで混ぜなくてはならない。この問題はツインバードの製品だと発生しない。そんなわけでツインバードの製品も、イーバランスの商品と同じ程度の面倒くささでコーヒーが入れられるようになったとしてもいいだろう。

味について

最後に味についても書いておくと、かなり美味いコーヒーを入れることができるコーヒーメーカーだと思う。豆のひき方もお湯の温度もお湯を入れるタイミングも、きちんと考えて作られているので、美味くて当たり前といったところである。

ちなみにこの製品は(余程の無茶をしなければ)誰が使っても最適な結果が出るように作られている。豆の削り具合も3種類だし、お湯の温度も二種類だ。ここを無段階にするのは技術的には可能だけど、あえてこうしているのだろう。例えばお湯の温度なら、あっさり飲みたい時には86度、しっかりした味が良いなら90度、(メーカーとしては)これがベストなのだから他の温度は必要ない。選択肢は増えれば増えるほど良いような気がしないでもないけど、最適解を提示してくれている点は好感が持てる。

純正のドリッパーとハリオのドリッパーとの味の差は、確かにあるのはあるけど好みの問題かなといったところであった。ハリオのほうが少しだけアッサリする。これはこれでいい。

全体的な傾向としてコーヒーの味にノイズは少なく、豆の品質が良くわかる。良い豆を使うとかなり美味いコーヒーになるはずで、自然にちょっと良い豆が欲しいなとも思えてくる。しかし先にも書いたように私は安い豆でセブンイレブンのコーヒーに近い味が出れば十分といった感じなので、良い豆を積極的に探し出すようになると、それはそれで面倒くさいかなとかも思っている。とりあえず深入りの豆の安目のものを購入し、これまでは2kgコーヒーを購入してたけど、古くなったのを飲むと我慢ならないみたいになりそうなので1kgに減らすみたいな雰囲気で運用していくのが良いのかなと考えている。

正直なところ私の使い方だと、性能も求められる手間暇もオーバースペックな製品だった。しかし販売されている商品が完全に自分の目的に一致しているのはありえない話であって、工夫したり改造したり運用でカバーするしかない。そういう意味ではなかなか良い感じのところで落ち着いたのかなというのが結論だ。