山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

様々なメディアに取り上げていただき色々ありがとうございますと新潮8月号に短文が掲載されます

新潮8月号に短文が掲載されます。

新潮 2019年 08 月号 [雑誌]

新潮 2019年 08 月号 [雑誌]

内容ですけど『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』で取り上げるべきだったよなーっていう明治の書籍を思い出したので、そのことについて書きました。本は完成品を販売しているものなので普通はそういうことは書かないと思うんですけど、私は書きたいと思ったら書く感じなので書きました。

続いてはお礼です。みなさんに SNS などで誤字や脱字を指摘してもらって、だいぶ間違いが少なくなってきています。

「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本(一般書/単行本/日本文学、評論、随筆、その他/サブカルチャー/ネット発/) 柏書房株式会社 ノンフィクション・歴史・古文書の出版社

なにかあったら「まいボコ」みたいな文字列とともに twitter などで指摘していただければありがたいです。こういうことも普通はしないと思うんですけど、多くの人の目で修正したほうが早いんで、他の本でも同じことをすると良いのになっていう感じです。とりあえず買わないと誤字も探せないのでヨロシク!!

あと様々なメディアに掲載していただいてありがとうございます。かって私はスタンダードな文学作品を楽しんでいたので、いまだに明治娯楽物語は一段劣ったものであるといった偏見を持っていて、なかなか普通の人には受け入れがたい内容だろうなーって思い込んでいたわけですが、想像したよりあっさりみなさんが受け入れてくださっていて嬉しいです。これは作者の古い感覚を読者が飛び越えてしまったという状況で、なかなか面白い状況です。

様々な感想を読んで思ったのが、私の中では定説だとされている事実があんまり流通していないっていうことや、私の中で当たり前の話が一般的には全然当たり前ではなかったってことです。指摘していただいた点について、ここで訂正していくことはしませんけど、大幅な改訂版を出したり、次回にこういったことを書いたりする際には、もうちょっと上手く書けるような気がしないでもないです。

未だに確立されていないジャンルについて記述して思ったのが、妥当性の判断が難しいってことで、例えば明治娯楽物語はそもそも本文が間違っているみたいなケースがあります。内容にもよるんだろうけど、直したほうが良いのか、そのままが良いのかっていうとわりと迷う。あと内容は全く同じだけどカバーと題名だけ違うケースだとか、思想的に完全にクソすぎて掲載するのはどうかとか、色々と判断するのが微妙なところがあります。こういう部分を1冊の本で正しくしようとすると、10年とか時間をかけても無理だよなってな気がしないでもなくて、明治娯楽物語の分野に参加する人が増えないと解決できない問題です。というわけで明治娯楽物語を普及させていく必要があるわけだけど、まだまだあまり扱われていなないっていう大問題がある。

明治娯楽物語に触れたことがない人でも楽しめる良い本はないものか? なるべく分りやすく、それでいて楽しみながら読むこともできる。そんな都合の良い本なんてあるわけないかって諦めかけたていると偶然にも素晴しい本を探し出すことが出来ました。明治・大正時代、夏目漱石や森鴎外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された娯楽物語の「規格外の小説世界」を紹介した一冊(出典https://dot.asahi.com/aera/2019062700082.html)で明治娯楽物語に親しんでいる私もビックリの良書、こんな良い本を一体誰が書いたんだ!! って驚いているところなんですけど、そういえば書いたの私でした。