山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

またしても講談速記本を公開しています

『豊臣秀頼西国轡物語 吾妻武蔵 講演 吉田松茵 速記 中川玉成堂 明治四一(一九〇七)年』 を公開している。

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この作品は講談速記本というジャンルに属する作品なのだが、講談速記本にはあまり知名度がない。だから作品を紹介する際には、まず講談速記本自体を紹介しなくてはならない。これがすごく面倒くさい。かって一応は講談速記本の解説を書いておいたのだが、あんまりよく分からないかもしれない。

山下泰平のタンブラー — 講談速記本とは

講談速記本の雰囲気を知るための紹介文として、最もお勧めできるのは次の記事だ。

知将から猫へ、進化する幸村像 物語の中の真田一族(上):朝日新聞デジタル

リサイクルされるヒーローたち 物語の中の真田一族(中):朝日新聞デジタル

歴史と重力を超越、永遠の系譜 物語の中の真田一族(下):朝日新聞デジタル

これも私が書いている。自分で自分が書いた文章を紹介していることからも、講談速記本界の層の薄さが自然に分かってしまうことだろう。

作品の内容を少しだけ紹介すると、真田幸村、後藤又兵衛、真田大助などといった豊臣の残党たちが徳川方の無能さ卑怯さに呆れかえり、真田幸村が大日本帝国を建国、琉球国を明から取り戻し世界進出を狙うといったスケールの大きな物語である。なぜに真田が大日本帝国を建国するんだよって思うかもしれないが、書いてあるんだから仕方ない。

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『豊臣秀頼西国轡物語』は面白いんだけど芝居やら芸能、江戸の実録、そして明治の風習などなどが、物語の中に大量に埋め込まれていて、少しだけ読むのが難しいかもしれない。検索しても出てない言葉なども大量にある。こんなこと書いてる私でも意味分からないところがいくつかある。

そういうのは全部飛ばして読むのがコツなのだが、きちんと教育を受けた人は意味が分からなすぎてイライラしてくるかもしれない。というわけで解説も付けていく。前に公開した作品では本文に解説を埋め込んでいたが、轡物語でこれをすると解説が多すぎてかなり欝陶しいことになってしまう。だから本文中では最小限の解説で押え、ボチボチ解説を書いてくことにする。

まあ難しいことは抜きにしても、『豊臣秀頼西国轡物語』は日本が誇る優れたエンタメ作品だと思う。夏休みがある人もない人も、暇潰しに読んでみてください。

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