山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

明治文化

判断の基準に伝統を入れないほうがいい

なにかを変える、変えないって問題が発生した時に、判断の基準に伝統を混ぜるのは止めておいたほうがいい。伝統だから残さなくてはならないって理屈はない。伝統じゃないからなくしたほうがいいっていうのも、頭にゴミ詰ってるとしか考えられない。伝統かど…

1980年の青年にスマホゲームの面白さを伝えるのは難しいので大正12年の魔法少女の物語を公開します

1980年代の青年にスマホゲームの面白さを言葉で伝えるのはかなり難易度が高い。スマホゲーム面白いし、話せば分るだろって考える人もいるかもしれない。だけど絶対になにがあっても説明するの無理だと思う。そんなもんよかインベーダーゲームのが面白いだろ…

月が奇麗ですねが面倒くさい人向け明治の "I love you"

漱石が "I love you" を月が奇麗ですねって訳したって話があるけど、回りくどくて面倒くさいよな。明治の日本人は我君を愛すとか言わないだろって感じなのだろうが、明治の奴らは基本的に焦ってるため、愛とか恋とか細かいことを気にしてる暇はない。それな…

夏目漱石作品最強ランキングトップ10(暫定版)

漱石作品強さランキングを作った ちょっと必要があり、夏目漱石の作品に出てくる登場人物の強さランキングを作った。というわけで『漱石作品強さランキング』である。 ルール 下記のようなルールを元にして、ランキングを作製している。 人型である 神ではな…

ペリーのミンストレル・ショーとアメリカンポリス24時!の黒塗りはほぼ無関係だと私は思います

「ブラックフェイス(黒塗りメイク)」は人種差別行為か――。昨年12月31日に放映された「ガキの使い!大晦日年越しSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」(日本テレビ)の中で、ダウンタウンの浜田雅功が、アメリカの黒人コメディアン、エディ・マ…

明治の稲妻強盗が嫌すぎる

稲妻強盗がいた! 明治時代に稲妻強盗がいた。かなり有名な犯罪者で、現在でもフィクションの世界で活躍しているようだ。 ただし明治や大正時代の犯罪スターの中には、歌や芝居、はては映画の題材にまでなっている者もいる。彼らの中に入ると、稲妻強盗の人気…

創作したことが恥かしくなる社会

現代では質の良い漫画を描いたら褒められる。優れた小説を描いても褒められる。絵でも音楽でも、それが評価に値するようなものであれば、普通は褒められる。それが恥になるなんてことはありえない。しかしかっては、優れた創作物を生み出した過去が恥になる…

少しだけ悪かった気がしたので明治の学校における同性愛の扱われ方を紹介します

cocolog-nifty.hatenablog.com 明治中頃の学校で、同性愛がどう消費されていたのかというと、プラトニックなものが至高とされていた。 流通していた美談として、美少年を付け狙う上級生の不良と、美少年の親友が決闘、喧嘩に負けた不良が武器を使って逆襲し…

こないだの保毛尾田保毛男のおもしろさ

保毛尾田保毛男を巡る問題 フジテレビが30周年を期して、30年前に流行った保毛尾田保毛男(ほもおだほもお)を復活させたのだが、私は大笑いしてしまった。実際にテレビを見てないのに面白いってすごいなーって思ってたんだけども、LGBTを支援するコミュニテ…

近代的ハゲキャラは明治34年に確立された

近代的なハゲキャラの条件 日本において近代的なハゲキャラが登場したのは、明治も半ばを過ぎた頃である。聖書やら説話やらなんやらかんやらの古い書物にもハゲキャラは出てくるものの、ハゲが押入から出てきたり、髷が薄くなった侍が老いぼれは黙れと罵倒さ…

『読上手』という概念について

かって読上手いう概念があった。 読上手とはなにか? つまらない文章 価値のない文章 どうでもいい文章 こういった文章から『味』や『良い点』を探し出せる能力を読上手と言う。 かって人類は、あまり読むものを持っていなかった。上手くイメージできない人…

素手で便所掃除する教育について1万文字くらいかけて考えていきましょう

謎の風習『素手便所掃除』 日本には研修や教育目的で素手で、便所掃除するっていう風習がある。子供に学校の便所を素手で掃除させるっていうのが有名だと思う。 その他のバリエーションとして、オッさんを見知らぬ街に連行し、便所掃除をさせてくださいって…

白ご飯世界

日本における代用食の歴史はとても長い。ただし本格的に代用食の探究が開始されはじめたのは、明治時代のことである。混ぜご飯やおからの活用などがあったが、最も盛り上がったのは玄米食だった。 玄米は白米と比べ1.3倍の栄養があるため、消費量が7割で済む…

福沢諭吉の合理性が大正時代には群馬の校長へと届いていた

学問のすゝめについて 明治時代の先鋭的な人々は、迷信を嫌う傾向があった。そして合理性を追及していた。彼らは時には病的なくらいに迷信を痛罵し、信仰を小馬鹿にしたりする。 彼らが迷信を嫌うのには理由があって、誰もが筋道を立てて考えられる国にした…

簡易生活周辺の歴史について

私の趣味のひとつに、明治あたりのつまらない文化を調べるってのがあって、最近は簡易生活ってのに興味を持っている。簡易生活の基本的な概念は次の記事で解説してある。 cocolog-nifty.hatenablog.com 簡易生活は、生活改善運動っていう巨大な文化の中の一…

大正時代の健康法を5年くらい実行してたら普通になったので1万文字くらいかけて紹介する

私は明治やら大正時代が好きで調べてる。それだけじゃなくて、当時流行してたことを実際にやってみるのも好きだったりする。昔だから今より全てにおいて水準が低いので、実行してもあんまり意味ないんだけど面白いからやってる。 大正時代の健康法も実践して…

舞姫の主人公をボコボコにする最高の小説が明治41年に書かれていたので1万文字くらいかけて紹介する

舞姫の主人公をボコボコにする小説が明治41年に書かれていたので1万文字くらいかけて紹介したいと思います。 舞姫の主人公を殴れば解決するのでは? 冒険旅行ブーム 島村隼人、エリスに刺されそうになり豊太郎を殴ることを決心する 舞姫との差異 ハイカラを討…

絵本で喧嘩してる大人やエントツは子供の教育に悪い

最近またもや痛ましいインターネット事件があって、エントツが大量に出てくる絵本?みたいなのを無料で配布した奴がいて、それ見て激怒する奴らが出てきてメチャ喧嘩している。 それで絵本って文字が苦手で脳が未発達な子供向けのものだと思うんだけど、エン…

明治のレシピには火加減がほとんど出てこない

明治あたりのレシピ本には火加減がほとんど出てこない。大正時代のレシピでも火加減はこういう感じ。 『ゆるゆると煮』 この他に、ぽち火というのもあるけれど、強火、弱火という表現はほぼない。なぜに火加減についての言及がないのかというと、当時の台所…

ミート現象について

フィクションの世界において、作中では知性派で優秀な頭脳を持っていることになっているものの、キャラクターは作者の創造力を超えることはできないという制約ゆえに、読者からするとものすごいバカに見えてしまうという状況がある。これはキン肉マンのミー…

またしても講談速記本を公開しています

『豊臣秀頼西国轡物語 吾妻武蔵 講演 吉田松茵 速記 中川玉成堂 明治四一(一九〇七)年』 を公開している。 kakuyomu.jp この作品は講談速記本というジャンルに属する作品なのだが、講談速記本にはあまり知名度がない。だから作品を紹介する際には、まず講談…

強さ議論は日本の伝統

強さ議論とかして何が楽しいの 強さ議論は江戸時代あたりから存在していて、明治を超え平成にまで生き長らえている伝統だから仕方ない。 下の画像は明治時代のオタクが作った武士の強さランキングである。 もう少しだけ詳しいことを書いたことがあるので、そ…

伊賀忍者と甲賀忍者、対立のはじまり

フィクションの世界では、伊賀忍者と甲賀忍者の仲が悪い。この設定は、どこからやってきたのだろうか? 大昔の忍者ヒーローとしては、甲賀忍者の猿飛佐助、伊賀忍者の霧隠才蔵が有名である。この二人の物語をテンプレートとして、フィクションの世界で伊賀忍…

米騒動におからで立ち向かった男

かって一人の男がいた 大正7年、第一次大戦等の影響で物価が高騰し、庶民は生活難に陥っていた。7月22日には富山県で米騒動が起きると、それに呼応するように米の安売り要請運動が全国各地で繰り広げられることとなる。 時の政府は効果的な打開策を見出すこ…

カクヨムで『講談速記 時代薄小説 真田幸村』を公開しました

大河ドラマの真田丸が人気あるみたいなんだけど、あれは真田幸村じゃなくて真田信繁だと思う。家にテレビないから見られないけど、だいたいそういう感じだと思う。だから時代考証もきちんとしていて、忍者もでてこないらしい。 より正確な時代もののエンタメ…