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夏目漱石作品最強ランキングトップ10(暫定版)

漱石作品強さランキングを作った

ちょっと必要があり、夏目漱石の作品に出てくる登場人物の強さランキングを作った。というわけで『漱石作品強さランキング』である。

ルール

下記のようなルールを元にして、ランキングを作製している。

  • 人型である
  • 神ではない
  • 生きている

漱石作品には仁王や日本武尊、そして荒木又右衛門などが出てくるため、死人や神を対象としてしまうとパワーバランスが崩壊してしまう。また火山や天候など、人型でないものもランキングから除外とした。

第10位

雑誌社の男

登場作品: 硝子戸の中

雑誌ニコニコの記者、漱石のもとに写真撮影に訪れる。雑誌名がニコニコであるため、笑顔の写真を掲載するという趣旨があった。記者が笑顔を要求するも、ムカついた漱石が突っ撥ねる。漱石の態度にクソムカついた記者は修正を加えて強引に笑顔にした漱石の写真を雑誌に掲載、漱石に精神的ダメージを与えた。

第9位

森山

登場作品:彼岸過迄

底の知れぬ謎の男、複雑な経歴の持ち主で、謎だけに実力が不明のためこの順位となった。ちなみに彼岸過迄はメチャ面白い名作、晩年の芥川は似たような作品を書こうとしたがあんまり上手くいかなかったみたいな雰囲気。

第8位

岩崎

登場作品:硝子戸の中

播州坂越の住人で漱石に茶や短冊、画などを送り付けた。送った茶を返せ茶がないなら金を払えなどといった様々な面倒クセー要求をなし、漱石を苦しめた。肉体的な強さはないが圧倒的な粘着力の持ち主であり、漱石の感想は以下の通りである。

「大方気狂いだろう。」

漱石に直接的なダメージを与えたことが評価され、見事ランキング入りを果すこととなった。漱石の嫁や親戚、近所に住む学生や間違った治療をした医者、結婚式の時に出た砂糖のかかったピーナッツなども漱石に大ダメージを与えているが、こちらはマジすぎて漱石死んでる場合もあるためランキングからは除外としている。硝子戸の中は漱石の狂気が見え隠れする良作。

第7位

柔術の学士

登場作品:三四郎

偉大なる暗闇と称される広田先生を柔術で苦しめた。具体的な描写が少ないためこの順位だが、秘めたる強さは侮れない。三四郎は普通の青春小説、当時の新聞小説を読むような若者が自分の事を書いてるんじゃないかって思わせるように書いてある。

第6位

山嵐

登場作品:坊ちゃん

こよりを二本より合せ力瘤の出る所へ巻きつけ、うんと腕を曲げぷつりと切る肉体の持主で頭も切れる。人間を殴っている描写で6位となったが、赤シャツが死んでいないためこの順位。

第5位

圭さん

登場作品:二百十日

身体がデカく丈夫な豆腐屋の息子。野生の腕力家を自称、3.6メートルの深さの谷に落ち生爪をはがした状態にあっても、他人の足の裏の豆を心配するほどの頑健さを持っており、漱石作品中でも随一のパワーキャラである。とにかく気合がすごい。ちなみに坊ちゃん、野分、二百十日の三部作は、どれもメチャ面白い青春娯楽小説に仕上がっている。

第4位

ウィリアム

登場作品:幻影の盾

騎士、盾を持っているためこの順位だが本質的には雑魚、機関銃を持った圭さんには太刀打ちできないことだろうが、盾を持っているのは事実なのでこの順位。幻の盾は読むのが面倒くさいが読むとそれなりの名作。

第3位

番兵

登場作品:倫敦塔

銃を持っているため渋々ながらベスト3入り。ただし本質的にはたまたま鉄砲を持ってただけのクソ、草枕に出てきた猟師と比べると単なるキーホルダー、粘着勝負に持ち込めば岩崎の勝利である。ちなみに草枕の猟師は音でしか出演していないためランキングから除外。

第2位

安さん

登場作品:坑夫

恋愛のもつれで人を殺害し坑夫となった男。人望もあり山中組の安さんといえば知らない者はいないくらいの人物だ。中等以上の教育を受けており知力も十分、その上ダイナマイトという武器がある。対戦相手を坑内に追い込めば、ほぼ無敵の存在だ。それとは別に坑夫は漱石作品の中では異色の名作。

第1位(最強)

牧山翁

登場作品:吾輩は猫である

迷亭の叔父で侍の漢学者、丁髷で兜割(鉄扇)を持ち歩いている。ちなみに兜割の鉄は建武時代のもので、性のいい鉄である。修業の結果、心をどこに置くべきか熟知している。強さを表わす具体的な描写はないが、明治の娯楽小説において、精神を修養し、鉄扇を持ち歩く人物は強キャラと確定している。まず腹が出来ている人間は火が熱くない。

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そして鉄扇の持ち主は強い。

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安さんが牧山翁を坑内に誘い込み、坑夫を扇動しダイナマイトで攻撃したとしても火が熱くないため、爆破が通用しない可能性がある。その上、安さんは人格者であるため、おじいちゃんに優しい可能性が高い。よって松山翁を漱石作品中では最強とした。ちなみに吾輩は猫であるには、意味なく真夜中に竹刀を振り回す美学者迷亭、石塔と相撲をとり転がす鈴木さん、さらに死亡している天然居士、極めつけにはステッキを持ち完全に発狂した珍野苦沙弥(ベルセルク)など強キャラが続出するのだが、ランキング入りが軒並『吾輩は猫である』キャラとなるのもどうかと思い、あえて除外している。

なぜこんなものを作ったのか

まず書いておきたいのは、漱石が初期に書いた詩や論文、そして短歌やら和歌、あと水墨画やら漱石の知り合いの権力者などはランキングに含めていない。なんか初期の詩に強い奴が出てきた気がしないでもない。小説に関しても、馬賊がいたような薄っすらとした記憶もある。さらに漱石自身も学生時代にボートで遊んでいたため、大胸筋が発達している。よってこのランキングは、大きく変動する可能性がある。完全な夏目漱石作品最強ランキングを作るため、今後も慎重な検証が求められていると言えよう。

次に不正確ながら、なぜにこんなものを作ったのかという点についてである。私は現在、明治の娯楽物語に関する本を書いてるんだけど、漱石作品を娯楽小説として見ると強キャラが少ねぇよなーって思った。それで漱石作品の強さランキングをググったところ表示されず、うっかりイライラしてしまい、自分で作ったわけなんだけど、こんなことをしているため本が出るのは遅れます。

ついでに漱石作品についてですが、全集で読むのがお勧め、岩波の漱石全集はすばらしく優れている。

漱石全集〈第6巻〉それから 門

漱石全集〈第6巻〉それから 門

どう優れてるのかはこのあたりに書いたと思う。

ch.nicovideo.jp

強さランキング自体については、こちらもどうぞ。

cocolog-nifty.hatenablog.com