山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

安さは性能

安いってのも性能だなって、最近すごく思うようになってきた。

例えばフキン、私は1枚税込54円のものを使っている。これだと臭くなる前に捨てることができる。様々な場所に置いておけば、気が向いた時にすぐ掃除できる。小汚くなったら躊躇なく捨てることができる。

スマホにしても10万越えのモデルになると、さすがにケースで保護したくなる。バイクにくくりつけてナビの代りにするのも微妙、壊れるとか勘弁してくれって思ってしまう。これが2-3万円くらいなら扱い方がすごく変る。少々の傷なんかどうでもいいやってなる。金単体でみると、2万円ってのは高額である。しかし15万円のスマホと2万円のスマホを並べると、2万円は安いって思える。安いか高いは相対的なものである。

良いものを丁寧に使うんだッ!! みたいな話があるけど、54円のフキンと1000円のフキンに絶対的な性能の差なんかないからな。1000円のフキンを必死で洗ったり消毒したりゴチャゴチャしてる間に54円のフキンで適当に机でも拭いたほうが全体的にはきれいになる。スマホは考え方だな。品質の良いものを毎日使うっていうのも良いものだけど、どうでもいい外見のどうでもいい性能の機械をなにも考えず使っているのもそれなりに良い。安いスマホも普通程度には動くし、保証とか考えなくていいのもいい。壊れたら買い換えりゃいいやって感じになる。鍵なんかと一緒にポケットに入れておいても気にならない。どうでもいいようなものだから、どうでもいい扱いになるんだけど、気楽ですごく良い。

良い物質っていうのは確かに良くて、触っていると嬉しいだとか、ものすごくスムーズに動くだとか、様々な喜びを与えてくれる。そこには絶対の価値があるのだから、それはそれで大切にしたほうがいいんだけど、自分にとってどうでもいいことに質を求める意味はない。良いものを使ったところで、どうでもいいんだから、良さを感じることができない気もする。それならどうでもいいものを、どうでもよく使ったほうが経済的だと思う。

どうでもよく扱うためには、相対的な安さが必要になってくる。安ければ安いほどどうでもいい扱いができる。そんなわけで安さも性能だなって私は思う。