山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです


私はこういう人です

戸澤雪姫を公開していきます

正しい調理と楽しい調理

私はチャーハンが好きで、チャーハンを食べるのも好きだけど、作るのも好きです。

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私のチャーハンの作り方はこういう感じ。

  1. 卵を混ぜる
  2. ネギを切る
  3. 飯を温めておく
  4. 卵をフライパンに入れる
  5. 飯を入れる
  6. 混ぜて味付け
  7. ネギ入れてさっと混ぜたら完成

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炒めはじめてからだいたい2分くらいで完成する。調子が良いともっと短時間で完成する。この調理方法はとにかく楽しいという特徴がある。鉄フライパンと業務用のガス台を使っていることもあり、調理中の満足感も高い。失敗してもそこそこ美味いし、成功すると美味い。

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科学的に考えた家庭向けのレシピはこういう感じ。

  1. 温めた飯に少量の水をかけほぐす
  2. 油も少量かけて混ぜる
  3. 弱火で溶き卵を混ぜながら加熱、固まってきたら飯を入れる
  4. 弱火のまま木べらで混ぜる
  5. パラパラになったら塩で味付け、ゴマ油を加えて20秒強火、コショウで味を整えたら完成

この方法だと、テフロンフライパンで作る必要がある。作ってみると実に簡単で、品質が安定している。なんか知らないけどピラフっぽい雰囲気もあったが、これはこれでよろしい。実に美味い。時間はかかるけど、実用だけ考えるともうこれでいいんじゃないかなっていう感じであった。科学的に考えた調理方法っていうのは正しい。でも面白いのかっていうと、それはまた違う。

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なぜに人間が調理をするのか、実用だけで考えると、食えないものを食うためである。人体は弱い。だから熱や刃物に消化やら消毒を代行してもらっている。しかし人間は進化やら進歩する。調理によって、美味くしようっていう新たな目標も発生してくる。

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一般の家庭で調理をするなら、そこそこ簡単で美味いっていうのは、とにかく最高ではある。ただ楽しさっていうのも、実はかなり重要だよなって思う。

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ステーキを焼く時に、表面を焦して肉汁を閉じ込めるっていう話があるけど、あれは嘘だっていうのが最近のインターネットにはよく出てくる。メイラード反応を起すために焦しているんだッ!!ってやつです。それは分かるんだけど、オッさんがステーキ焼きながら、俺は今肉の表面を焦して肉汁を閉じ込めているッ!!と想像し高揚感に包まれたのであれば、もうそれで正解なんじゃないかって思う。

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私はチャーハンを作る時にフライパンを振るんだけど、そんなことする合理性はない。でも楽しいからやってる。枝豆の端っこをハサミで切ってゆでるけど、あれもあんまり合理性はないよなって思う。正直なところ茹でる時の塩分を濃くした上にダシ醤油でも入れといたら、別に切る必要ねぇよなって思いながら切ってるわけだけど、なんでそんなことをしているのかっていうと楽しいからである。毎日料理をしていると、面倒クセーってのが全面に出てしまって、だんだん嫌になる時ある。そういう時には正しさより楽しさを追及してみると、ちょびっとだけマシな気持にならないこともない。

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調理を通じ美味さ引き出すことに一般的な人も重点を置きはじめたのは、日本だと大正の終りから昭和のはじめくらい、その後色々あって一度そういうのはブッ壊れているんだけど、人類の歴史として見てみると最近のことである。ただし文化としては長い歴史ではあるな。ここ数十年で、どんどん飯が平均的に美味くなっている。高級オーブンレンジの自動調理みたいなのもすごく優れてるし、クックドゥー的なのも使わないから知らないけどスゲー美味いんだろうなって思う。

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ただ娯楽としてはどうなのかっていうと、微妙なところがある。少し面白いのは、最近の調理セットみたいな商品が、あえて一手間が必用にしてあるっていうのがある。こうしておくと手抜きしているっていう罪悪感が減るんで、主婦の人が買ってくれるらしい。ただしこれは、楽しみとはちょっと違う。楽することに罪悪感を持つのは暗いし楽しくない。娯楽以前に、まずは手抜きを堂々とできる文化が欲しいところだな。

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ちょっと話がズレちゃったけど、今は美味さを追及するってのが家庭における食文化の流行で、それが低温調理だったり分子料理学だったり科学的料理だったりと、色々な名称はあるけど、そういうものなんだろうと思う。ブームの影響力というものはすごい。正しく美味しい料理を作ろうっていうプレッシャーは、これからどんどん強くなる。

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しかしあと数十年もすると、我々は美味さを求めすぎた、料理の楽しさを追及しなくてはならないっていう感じになる、多分。だから少しだけみんなより先に、面白さも考えながら料理する。そうするとプレッシャーから逃げられるんじゃないのかななどと、チャーハンを作りながら私は考えたり考えなかったりしているわけです。