山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

古今の小説のタイトルの酷さについて

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衛生小説ゴノコッケン物語 淋菌の自由 松山正中 著 有楽社 明治四二(一九〇九)年

かって『衛生小説』ってジャンルがあった。今となってはどうでもいいけど。

自由太刀余波鋭鋒―該撒奇談 (1978年) (明治初期翻訳文学選)

自由太刀余波鋭鋒―該撒奇談 (1978年) (明治初期翻訳文学選)

『自由の太刀名残の切れ味』と読む。シェークスピアの翻訳、予備知識なしになにを翻訳したものか分かった人はすごい。

日本青年亜非利加猛獣国探検

日本青年亜非利加猛獣国探検

この人の翻訳は良いですがこれはオリジナル小説、なんか少年が出世する話でタイトルが一番面白い。

誰だ?花園を荒す者は! (近代文芸評論叢書 (5))

誰だ?花園を荒す者は! (近代文芸評論叢書 (5))

一応は評論だけど小説だな、これは。

人間万事我輩の如く

人間万事我輩の如く

いわゆる実用書だが全般的にオッさんの妄言だから小説に近い。

一寸東京まで

一寸東京まで

この作品は作者名から酷いがこの作品に影響を受けて北杜夫が『どくとるマンボウ航海記』を書いたわけがない。

『どくとるマンボウ航海記』は名作。

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)

このように昔から日本には、豊穣なタイトル文化がありました。大事にしていきましょう。