山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

明治の新聞を順番に読んでいる

私の趣味は文字を読むことなんだけど、ここ数年間は近代デジタルライブラリー(現、国立国会図書館デジタルコレクション)っていうので、明治時代の娯楽小説を中心に読んでいた。

特に選ぶわけでもなく、目についたものを適当に読む。こんな方法でもある時代の特定分野をそれなりに読み込むと、かなり詳しくなってくる。それは良いんだけど、その分野のことをなんでも知ってるように錯覚してしまうのが良くない。錯覚しないでおこうと思っても、なかなかできない。

というわけで、明治時代の新聞を読むことにした。明治時代の新聞は、あんまり読んだことがないから、知らないことが大量に出てくる。もうちょっと明治の感覚みたいなのを身に付けておきたい。最低でも3年分、できれば10年分くらい読みたい。

どういう風に読むのかというと、普通の新聞みたいに読む。興味があるところは読み込むし、興味ないところは読み飛ばす。ただし1ページあたり、ひとつの記事は読むというルールは作っている。

気を付けなきゃいけないないのは、ずっと読み続けていると自分が明治人っぽくなってるって錯覚してしまうことだと思う。例えば明治の広告を眺めていると、やっぱりその商品が欲しくなる。ほとんどの商品は販売されていないけど、サッポロビールやエビスビールは売っているから、ついつい買ってしまう。これはかなり明治人っぽい行動だけど、所詮は新聞を読んでいるだけだから私は明治人ではない。平成に生きてる人です。これは間違えないようにしないといけない。

こういう感覚は素人に限った話でもなくて、本職の研究者の人でもやっちゃうことがある。他人から見るとかなりみっともない。あくまで一部しか知らないってことは常に意識していきたい。