山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

加齢で食が細くなったのに大盛りを頼んでしまう

若い頃というのは、それなりに飯を食べる。誰だって食べる。

私の場合は食事の時間を省略するため、一日に一食大量に食べるみたいなことをわりとした。だから定食やラーメンは、常に大盛りを注文していた。痩せてるわりには一度に沢山食べるほうだったと思う。

しかし人類には、加齢によって飯をあんまり食べられなくなるという機能が付いている。オッさんになると、若い頃みたいに大盛りラーメン食べてちょっと足りないなーってことがなくなってしまう。オッさんが大盛りラーメンを食べると、概ね腹が気持ち悪くなる。

私も昨日に大盛りラーメンと瓶ビールを頼んで腹が気持ち悪くなりました。最初のほうは美味かったけど後半は最悪だった。

オッさんの外観はキモい。その上に腹の中までキモくなったら全身キモくなりもう人間として終りである。オッさんは普通のラーメンを注文すべきなんだと思う。

もちろん若い頃から勢いで食いまくり、デブってるオッさんならば、大盛りでもイケると思う。そういう勢いのあるオッさんは例外で、バイキングみたいなので大量に飯を食べるなり、ドテカ盛り弁当食うなり好きにしてください。今は普通のオッさんの話をしている。普通のオッさんは、もう大盛りを注文しなくていい。これが真実である。

ところが9割以上のオッさんは頭が悪くなってしまっているため、自分の肉体が衰えているという事実に気付くことが出来ず、若い頃の胃袋感覚で生存し続けている。だからラーメン屋で普通のラーメン食べてちょっと足らないとヤバいなどと馬鹿丸出しのことを考え、大盛りラーメンを注文し腹が気持ち悪くなるといった愚行を何度も何度も繰り返してしまう。

だいたいが普通のラーメン食べて、ちょっと足らないとヤバいといった心配をする意味がない。食べた後で少し足らないなって思ったところで、1mmたりとも問題ない。そもそも足らないわけがないし、この飽食日本で小腹が空いてヤバくなることなどない。その辺にコンビニでもなんでもあるだろ、小腹空いた時に考えりゃいいし、昼に普通のラーメン食べたら晩飯まで腹が空くことない。とにかくオッさんの食は細い。普通のラーメンで丁度良い。

しかし先にも指摘したように、オッさんの脳は弱っている。何度も何度も大盛りラーメン食べて腹を気持ち悪くしているのに、やはり定食屋に行きテーブルに座ると、おかずわりとボリュームあるし白ご飯大盛り頼んでおくかとか考えてしまう。いやいやもう若くないし普通の白ご飯でいいんじゃないかなとか一瞬思ったりもするけど、それでも揚げ物このボリュームだぞスタミナ付けて午後からの仕事に備えるか大盛り80円だし値段的にも誤差だろなどといったドクソバカ丸出しの思考を経て、大盛り食べて腹気持ち悪くするし、普通盛りを頼んでも食堂のおばちゃんが注文をムシって微妙に大盛りにしてくるからお腹が気持ち悪くなる。もうこれは中年という名の病気だと思う。

かって日本が貧乏だけど心は豊かな国だった時代、貧素なオッさんがメニューを見ながら迷っている時には、あなたの年齢だともう大盛りは無理ですよと一声かけてくれる初老のオッさんがいた。貧弱中年は貴重なアドバイスありがとうございますと笑顔で答え、食堂のみんなが大爆笑、食堂のおばちゃんは注文をムシって微妙に大盛りにしてくる……こういう美しい人情があった。それが今じゃ他人の注文などおかまいなし、エゴ丸出しで大盛り注文して腹を気持ち悪くする初老ばかりで、食堂のおばちゃんは注文をムシって微妙に大盛りにしてくる。これがかって必死で働いてきた我々の先祖たちが思い描いていた日本の姿なのだろうか?

高度経済成長で日本が失なったものは余りに大きい。誰もがちょうど良い感じの満腹感を得るために、個々に活動している個人の情熱、努力、経験を伝えあい、さらに行政につなげていくためのネットワークづくりが必要である。そのために、市民と市民、そして行政へとつなげていく調整役として、今後は大盛りを頼まないことを私はここに誓います。

平成28年4月7日(木) 山下泰平

ごつ盛り ソース焼そば 171g×12個

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