山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

ユーザーを嫌な気持にする製品

使うと嫌な気持になるプロダクト

最近は物を購入すると、嫌な気持になってしまうことが増えてきている.

例えばだけど、これは世界のソニーが発売している DSC-QX100 というカメラである。

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スマートフォンと連動して動くデジタルカメラで、変った形をしている。とってもユニークな商品なんだけど、これを使うと私は絶対に嫌な気持になる。嫌な気持になるタイミングをリストアップしていくと、余裕で20項目くらいある。真面目に考えると、50項目くらいは達成できると思う。

例えばなんだけど、3枚くらい撮影すると、スマートフォンとの接続が切れることが多い。相性があってスマホの機種によってはこういうことが起きるらしい。これは予算やら技術の問題で、仕方ないと納得できなくはない。嫌な気持にはなるが、我慢することはできる。

ただし接続が切れた後の挙動が最低で、すごく嫌な気持になる。なぜ嫌なのかというと、考えれば出来ることをしていないからである。

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まずこういう風に切断される。切断された後は、なにも起きない。

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切断された後にユーザーが操作し、再度接続しないといけない。これが嫌で嫌でたまらない。カメラが切断されたのはソニーの都合であって、ユーザーの意思ではない。ユーザーは、まだカメラを使い終っていない。接続されている状態に戻したいに決っている。だから機械が自動的に戻す努力をすべきである。こんなことは誰だって分かる。バカでもアホでもカスでもド無能でも分かる。分かることをしていないのがイライラしてたまらない。(この部分はアップデートでなおりました。使いやすくなった)

もちろん戻すべきでない理由もいくつか考えられるけど、そんなことは瑣末な問題で、ユーザーを嫌な気持にさせないように努力するべきだと思う。

これは技術的な問題でもなんでもなくて、常識の問題だ。センスある人なら自然に分かることだし、そういうセンスがないのなら勉強するしかない。

この商品は一時が万事こういう感じなんだけど、タマゴの殻を撮影するという特殊な用途には向いている。

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だから私は仕方なしに使っている。なぜ私がタマゴの殻を撮影しているのかは、こちらでどうぞ。

しかしながら普通の用途に使うのであれば、とにかく嫌な気持にさせる商品だと思う。電源ボタンがヘナヘナで、押すだけで気分が悪くなる。理想としては NFC 経由で電源を付けるといった作り方をしていて、本来ならば電源ボタンなど必要ない商品ではある。だけど事実として予算やら技術の問題があって、そういう風に作れていない。だから電源ボタンにも気を配る必要があると思う。電源ボタンの感触が悪いと、使い始めた瞬間に嫌な気持になってしまう。

この他にも大嫌いなところは大量にあるけれど、商品の改善につながるわけでもないので書かない。

嫌な気持にならない製品

ここ一年くらいの間に購入した商品の中で、嫌な気持になる要素がほぼ皆無だったのが、サーキュレーターだった。

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これはコンセントをつなげてスイッチを入れると、風が発生する。これまで何度も使ったが、コンセントをつなげてスイッチを入れ、風が発生しなかったことがない。スイッチの感触も悪くはない。

ひとつ、本格的に掃除しようとすると、分解しにくいという問題がある。これは趣味の問題で、風を出すための掃除は簡単にできるように作ってある。だからあんまり大きな問題でもない。簡単に十分な風が発生できる状態を維持することができる。

この様に目的を絶対に果してくれる商品は、ユーザーを嫌な気持にさせない。

ユーザーを嫌な気持にする商品を作るのは止めてほしい

単純な商品は、嫌な気持になる要素が少ない。それでも嫌な気持にさせる商品を作ろうと思えば、作れてしまう。

例えばこの時計は液晶の質が悪く、斜めから見ると時間が分からない。

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時計は時間を知るために存在しているのに、時間が分からないのだから当然ながら嫌な気持になる。このように要素の少ない商品でも、人を嫌な気持にさせてしまうことはままある。

まして要素が多い商品は、ユーザーを嫌な気持にする局面が無数にある。先程紹介した時計は1000円で購入した安物だから良いものの、何万円もするスマホが、触るのも嫌なくらい不愉快な商品である場合もあったりする。作るのが大変なのは分るけど、最低限の努力はして欲しい。

ところでなんでこんなことを書いたのかというと、私は昔の人間でソニーというのはとにかく素晴しいメーカーだというイメージがあって、少なくとも機能しないような商品を売ることはないだろうと思っていたのが見事に裏切られたからで、実は割とショックを受けている。ソニーには頑張ってほしい。

こういう話が好きな方はこちらもどうぞ。ボタン長押しの憂鬱