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山下泰平の趣味の方法

これは趣味について考えるブログです

私はこういう人です

私はキャラ弁ではなく男の子弁当を作ります

趣味の実践

日本には富士塚というのがある。これを簡単に説明すると富士山信仰の人々が、富士山に模して築いた塚である。大昔に役行者という超能力者が富士山に登ったら、空飛んだり鬼と友達になったりしてヤバいし渋いから、俺らも富士山登りたいけど遠いし面倒だから、近所にチビっこい富士作ろうぜみたいな感じのノリで富士塚は作られている。

富士塚は格好良いのが多いので、好きな人も多い。

ご近所富士山の謎

富士講関係だとこの本が面白かった。

今はこの辺りのことを調べてないので、もっと面白い本が出てるかもしれない。

富士塚に限らず日本はなにかに見立てて、なにかを作るのが好きで、茶菓子を花の形にしてみたり、日本庭園が宇宙になったりする。今だとキャラ弁なんかがそれに当る。

個人的にはキャラ弁はなかなか良い趣味だと思う。母親が趣味に没頭するのも良い。最近は批判もあるみたいだけど、子供に持たせて問題あるなら、旦那に持たせりゃよろしい。愛する女の為に旦那が犠牲になるというのも、なかなか感動的で良い話である。旦那がイカつい男の場合より良くて、デカくて恐いオッさんが職場でキャラ弁食ってたら和むと思う。

キャラ弁は面白い反面、高度な技術とそれなりの環境が必要とされるため、作れない人も多い。作れない人がキャラ弁からプレッシャーかけられているという側面もあるらしいので、誰でも出来る見立てた食物を紹介すると、北斎丼というのがある。

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これは有名な葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』、これに見たてて丼を作ると、次のようになる。

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豆腐が波の白い部分、ネギが水色部分、海苔と米が海を表現しているような感じの雰囲気である。全然違うじゃんって思うかもしれないけど、見立てるってのはこんなもんでいい。概念が存在すればよろしい。日本庭園は宇宙っぽいけど、別に銀紙で作った星とか高い熱を発する赤い丸とか設置されてない。良く見立てるためには、抽象化と省略と想像力が大切です。

北斎丼の良い所は、温度や歯触りが美味しいところで、冷たい豆腐と温かい白ご飯、パリパリの海苔と柔らかい豆腐の対比が実によろしい。作ったらすぐに食べたほうが良いと思う

余談になるけど北斎丼の由来としては、葛飾北斎が好きだったからだとか、北斎展を見てる時に思い付いたからだとか諸説ある。私が知っているのは、これは高速道路の料金所のオッさんが夜食のために開発した料理で、丼の中にオッさんが富嶽百景と見たから北斎丼と名付けたというものです。

由来はどうでもいいにしろ、北斎丼は誰でも作れる。私はやる事のレベルが低いから、北斎丼なのに丼じゃなくて味噌汁の碗で作っている。なんで丼じゃないかというと、生きている間にどんどん茶碗が割れていって、最後に残っているのが木製の碗だからです。そういう人間でも作れる。

そういえば一時期豆腐のグチャグチャ丼とかいうのが流行していたけど、日本文化がどんどん下劣になっていったような気がして実に寂しいものでした。豆腐のグチャグチャ丼を作った奴は頭の中もグチャグチャで、毎日虫の鳴き声みたいな音を出して風流とかホザく無粋な奴なのだろう。それでグチャグチャ丼を広めたのは、このです。

グチャグチャ丼はどうでもよいとして、抽象化すると誰でも見立てて面白い弁当を作ることが出来る。私が最近作って遊んでいたのは、男の子弁当である。男の子弁当というのは、男の子が好きそうな弁当で、闇雲に作っても男の子弁当にはならない。だからまずは男の子っぽい雰囲気を考えていく。

私の考える男の子は次のようなものになる。

  • 雑だから一度に作る
  • ワンパクだから肉が多い
  • バカだから色とか認識できない

つまり男の子弁当とは、一度におかずが作れて肉が多めで色とか気にせず作る弁当ということになる。

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以前も書いたんだけど、趣味というのは制限を付けると面白くなる。だからフライパンあるいは網だけでおかずを作るという制限を付けている。

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これだと忙しい朝でも、作ることができる。

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とにかく肉入れときゃいいだろといった雑な態度で作られているものの、私の味の好みに最適化されているため、食うと美味い味がする。

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フライパンの面積の中でどの程度まで豊かな弁当が出来るのかとか、より男の子っぽい弁当とはなにかとか考えるのも楽しい。

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キャラ弁が続いている人も、これに近い楽しみ方をしているのでしょう。

私の男の子弁当は小汚なく、公開するようなものでもないんだけど、こんな低レベルの弁当でも考えて作るのは楽しい。女の子弁当や、工事現場の人が食べてそうな弁当など、様々なバリエーションがあると思う。お子様と相談したりするのもなかなか面白いかもしれませんね。

今の私が面白そうだと思っているのが、昔の弁当を再現するという遊びである。例えば明治の人らが食べてそうな弁当なら、梅干し入りのお握りを竹の皮で包み、竹の皮の端っこにその辺の適当な味噌付けておくといったものである。ポイントは米を最低でも一合は使うことで、昔の人は米を大量に食べていた。大正時代の肉体労働者も、一食一合では足らないという感じなので、その量が想像できるだろう。これもあくまで見立てだから、正確に再現する必要はないけれど、なるべくなら似せていきたい。

昔の弁当というのは、なかなか難しくて階級によってかなり違う。私は娯楽文化を中心に調べているから、貧民っぽい弁当しか知らなくて、明治の下級官吏の弁当に粥弁当というのがある。これは弁当箱の中に固めの粥をブチ込んむという弁当で、バランスを崩すと粥が流れて弁当がなくなる。さすがにこれを子供に持たせるわけにはいかないが、旦那に持たせりゃよろしい。愛する女の為に旦那が犠牲になるというのは、実に感動的な物語である。旦那がとにかくデカくて指毛とかボーボーで恐い顔している場合はより良くて、デカくて恐いオッさんが粥まみれて泣いてたら職場が和むが、やりすぎると不和の原因になるので、なにごとも程々が大事です。

とにかく昔の弁当を再現するというのは知的な行為が関わってくるので、かなり面白そうだと思ってるんだけど、私はそこまで弁当の歴史には興味ないのでやったことがありません。興味のある人は趣味にしてみると面白いと思う。

弁当に限らずテーマを作ってしまえば、なんでも趣味になる。子供の友達の親御さんなんかがキャラ弁当を作り始めたりして、自分に火の粉がかかってきそうになったら、危機感あるのは分かる。私だってキャラ弁作らされるのは絶対に嫌です。

だけど人の趣味を邪魔するのは良くない。同じ土俵で勝負するから面倒なことになるわけで、キャラ弁を避けるために自分で新たなテーマを持った弁当を作り出すのが良いと思う。子供いたら難しいかもしれないけど、子供だってヤクザじゃないから話せば分かってくれるような気がしないではない。

とにかく人の趣味は人のもの、私の趣味は私のものといった態度で生きていこうではありませんか。

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